大津・中2自殺:全小中にいじめ担当者 市教委、再発防止へ初会合 /滋賀
毎日新聞 2012年8月30日(木)16時33分配信
大津市でいじめを受けた市立中学2年の男子生徒が自殺した問題で、市教委は29日、内部の「いじめ対策検討委員会」の初会合を開き、いじめの未然防止や早期発見・早期対応策作りへ、本格的な議論を始めた。また、2学期から市内の全小・中学校55校にいじめ対策担当者を選任することを盛り込んだ「いじめを許さない学校づくり宣言」を発表した。
宣言は9月3日の始業式に、幼稚園も含む市内全89校・園で配布する。各校のいじめ対策担当者を中心に、全小・中学校に「いじめ対策委員会」を常設し、問題の共有化を図ることなどを掲げた。
中2男子自殺問題では、越直美市長が直轄で、いじめの事実解明や自殺の原因考察を目的とする第三者調査委員会を25日に設置した。今回の内部検討委は再発防止に向けた指導策に注力し、現行のいじめ対応マニュアルの見直しなどを図る。
初会合は、委員長を務める沢村憲次教育長が襲撃事件で入院中のため欠席した。県教委の担当者を含む15人が男子生徒に黙とうし、副委員長の松田哲男教育部長が「どうしていじめが発見できなかったか、指導体制のどこに問題があったか明らかにしたい」と語った。議事は非公開で行われ、終了後に松田部長らが「夏休み明けの指導のあり方などを議論した」と説明した。
委員は市教委内の16人で、必要に応じてカウンセラーや弁護士の助言も得るという。月2回開き、第三者委の提言も踏まえて、来年1月に報告書を作成。内容を来年度からの学校現場に反映させる。【千葉紀和】
8月30日朝刊
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いじめ対策本部が初会合…滋賀県・県教委・県警
読売新聞 2012年8月30日(木)20時34分配信
大津市でいじめを受けた市立中学2年の男子生徒が自殺した事件を受け、滋賀県と県教委、県警が設置した「滋賀県いじめから子どもを守るための対策本部」(本部長=嘉田由紀子知事)の初会合が30日、同市内で開かれた。
いじめの実例を検証して原因を分析、防止策を練る有識者のチームを設置することを決めた。
メンバーはこれから人選するが、心理学や児童福祉、法律、教育などを専門とする大学教授ら約10人で構成する。大津市のケースも、第三者調査委員会が年内に出す予定の調査結果を踏まえて検討対象とし、2年をかけて有効な対策を導く。