無償化判断1年放置 圧力強める朝鮮学校 進まぬ実態解明 支出絶てぬ弊害
産経新聞 2012年8月31日(金)7時55分配信
文部科学省が朝鮮学校に対する高校無償化の適否判断を放置したまま1年がたった。判断を先送りしているのは、教育内容や朝鮮総連の影響力に関する実態解明が進まないためだが、朝鮮学校側は早期適用に圧力を強める。
政府が判断先送りを続ければ、都道府県による朝鮮学校への補助金支出を絶てない弊害もある。
朝鮮学校の無償化をめぐっては、平成22年11月の韓国・延坪島砲撃を受け、審査をいったん停止。ところが昨年8月29日、菅直人首相(当時)が南北対話が行われたことを理由に審査を唐突に再開させたが、審査は進んでいない。
その理由は学校側の説明をうのみにできないことが大きいが、文科省幹部は「朝鮮学校の報道が出るたびに事実確認に追われている」と話す。朝鮮総連が影響力を行使している実態などを指摘する報道があれば、その都度調査しており、審査終了のメドは立たない。
判断先送りを横目に朝鮮学校側は攻勢に出ている。今年7月、全国朝鮮高校学生連絡会の代表6人が文科省を訪れ、「審査が制度の趣旨や審査基準にのっとり、公正に行われることを要望する」と訴えた。
要望で強調したのは「基準にのっとり」の部分。外国人学校に対する文科省の「適用基準」は、教育課程などが日本の高校課程に準ずるか否かを判断する内容で、教育内容は問わない。基準のみに沿えば無償化の適用は可能とされ、これも政府を悩ませる要因となっている。
朝鮮学校の無償化は、都道府県から朝鮮学校への補助金問題にも影響を与える。東京都や大阪府は24年度予算で補助金を計上せず、埼玉県は計上したが執行停止中。一方、群馬、福岡両県は執行を予定している。
広島県は打ち切りを見極める指標として高校無償化をめぐる政府の判断を注目しているという。
ある政府高官は「政府の判断が朝鮮学校や朝鮮総連の収入を左右する。拉致問題など対日外交を転換させるには、国は無償化を適用せず、自治体も補助金支出を停止すべきだ」と強調する。(比護義則)