<いじめ被害届>大津捜索受け増加、7月以降19件

<いじめ被害届>大津捜索受け増加、7月以降19件
毎日新聞 2012年9月4日(火)23時37分配信

 いじめで暴行を受けたなどとして全国の警察に被害届が出されるケースが相次ぎ、毎日新聞の調べで、今年7月以降全国で少なくとも19件に上ることが分かった。このほか、被害届は出されていないものの、既に立件されたり警察が再捜査を開始したりしたものも4件あった。各地でいじめが表面化する中、警察に捜査を求める声が広がっていることが浮き彫りになった。

 昨年10月に自殺した大津市立中学2年の男子生徒(当時13歳)への暴行容疑で、滋賀県警が中学校などを家宅捜索した7月11日以降について、全国の警察や被害者への取材結果をまとめた。

 被害届が出された19件のうち、7件が昨年1年間に被害を受けたとし、3件が数年前の被害を届け出るなど、過去のいじめ被害を訴えたものも多い。

 前橋市の18歳の女性は、中学2年時のいじめで対人恐怖症やPTSD(心的外傷後ストレス障害)になったとしたほか、鳥取県米子市の中学3年の女子生徒(14)が中学1年の時から複数の男子生徒にいじめを受け心身症になったとした。いじめの被害届が出されていることについて警察庁幹部は「大津の報道を見て、いじめも事件として扱われると受け止める人が増えたのではないか」と話している。

 一方で7月中に発生したとする被害も6件あった。いじめに関する被害届の統計はないが、警察庁によると、今年1〜6月にいじめが原因の検挙・補導事件(書類送検を含む)は65件で、昨年同期(47件)より約4割増えた。

 警察庁は8月に被害届を原則として即時受理する方針を決めており、文部科学省は、いじめ対策のアクションプランを近く公表する予定だ。【まとめ・石丸整、村上尊一】

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