「論文盗用で自殺」滋賀大と元教授提訴 共同研究者の遺族
京都新聞 2014年6月4日 15時9分配信
滋賀大の宮田仁元教授=諭旨解雇=が不正論文を発表していた問題で、共同研究者だった女性が自殺したのは、元教授による論文盗用や大学の不公正な調査などが原因だとして、京都市の女性の遺族が4日までに、元教授と滋賀大を相手に計約1億1千万円の損害賠償を求めて京都地裁に提訴した。
訴状によると、共同研究者だった教授の女性は2011年6月、宮田元教授の不正行為に関して大学側に調査を申し立てた。大学側は12年2月に調査結果を公表し、元教授が女性の論文を盗用したと認定した。女性は調査への協力や不正行為への対応、学内業務などで心労が重なり、同年8月にうつ状態と診断され、9月に自殺した、という。
女性側は「元教授は(女性の)研究者として生きる道を閉ざし、真相解明を長期間妨害した」とし、大学側について「元教授の調査妨害を軽信して公正さを欠く調査を行った。大学の人事審査の粗雑さが重大な結果をもたらした」と主張している。
滋賀大総務課は「現在、対応を協議中で詳しいことは申し上げられない」とし、元教授の代理人弁護士は「対応についての詳細は今後検討していく」としている。