唖然!東京医科大 内部調査で分かった 不正入試の手口
FNN PRIME 2018/8/7(火) 20:03配信
入試不正を認定 その手口とは
東京医科大学の一般入試で、女子受験者の得点を一律に減点していたなどの「入試不正問題」。
7日、東京医科大の内部調査委員会が会見を行い、合格者を不正に調整してきたことを正式に認定した。
今回明るみになった、女子受験生に対する“差別”。
その背景にはいったい、何があったのだろうか。
「直撃LIVEグッディ!」はスタジオに日本女性医療者連合の対馬ルリ子理事をお呼びし、解説していただいた。
安藤優子:
東京医科大学は裏口入学に続いて、こんなことまでやっていたのかと、あ然とするばかりです。大人が、寄ってたかって学生の将来を叩き壊す方に回っているという…ひどい話ですよね。
高橋克実:
子供たちはどこに希望を見出せばいいのか…
広瀬修一フィールドキャスター:
調査委員会の会見では、裏口入学に関するものと、女性を差別するような入試不正の実態が語られていました。この入試の不正は誰が行っていたのか?
<入試不正の内容>
(1)裏口入学させるため最大で49点を加点、今年の入試でも6人が不正合格
(2)女子受験生の筆記試験(400点満点)に×0.8し、一律減点。400点満点で320点になることも
(3)2次試験の小論文でも、得点を不正に操作
広瀬:
そもそも、この入試の不正はいつから始まったのでしょうか?
<内部調査委員会の中井憲治弁護士からは…>
「前学長、前理事長の資質ではなく、本学の出自、風土による根深いところに原因がある。2008年以前から教職員やOBによる介入の疑いがあった」
広瀬:
2008年以前というのは、2人が学長や理事長になる、その前のこと。かなり前から東京医科大ではこういった不正があったのではないかという、そんな可能性も示唆しているんです。対馬さんは、こういった話は聞いたことがありましたか?
対馬氏:
私たちは、10年くらい前から“そういうことあるらしいよ”という噂は聞いていました。“女子は優秀だから、このままだと女子が増えちゃって困る”と言う人もいました。いろんな大学がやっているらしいという噂も聞いていて…。噂かもしれないけど、女子の国家試験合格者の割合は、この10年くらいほとんど増えていないんです。ということは、いろんな大学がやっている可能性があるんじゃないかなとは思っていました。
広瀬:
東京医科大に落ちたけど、もしかしたら受かっていたかもしれない…という女性たちに取材をしました。
「泣く泣くあきらめた」…不合格女性の声
<東京医科大に落ちた女性たちの声 一部抜粋>
・今年、東京医科大を受験した女性「男女差別を、この時代にまだやっているのか。正直驚いた」
・過去2回、東京医科大を受験した20代女性「とても悲しいし、腹が立ちますね。この実態を知っていれば、東京にこだわらずに地元の大学に早く入っていたかな」
・浪人生で去年、東京医科大を受験した20代女性「何のために勉強しているのかなと…。両親にこれ以上迷惑をかけられないと、泣く泣くあきらめた」
広瀬:
不正な操作で不合格となったかもしれない人たち。今後、もし該当する人が判明した場合、損害賠償請求が認められる可能性はあるんでしょうか?
北村晴男弁護士:
認められる可能性は、十分あると思います。大学側はいろんな理由を述べると思うんですが、受験生に知らされていないということが非常に重要で。受験者側は当然公平にやっていることを前提に受けていますから、不正な操作が違法だと認定される可能性は十分にあると思います。
その上で損害賠償となると、例えば、予備校に本来行かなくて良かったのに1年間行くことになってしまった場合、その費用は確実に認められるでしょうね。
安藤:
もう他の大学に行ってしまった場合はどうなるんでしょう。
北村弁護士:
そうすると、損害というものをどうやって認定したらいいのか非常に難しくなって、最後は慰謝料ということになると思います。精神的損害ですね。精神的損害をどう評価するのかというと、あまり大きな評価には出来ないかもしれませんが、一定程度の評価は出ると思います。
一部では、女子を一律減点としたのは「結婚や出産などで、女子の離職率が高い」ことが理由としてあげられているが、そのことに対して、対馬氏は…
「いつの時代かと思うようなことが、まだある」
対馬氏:
医療界が特別じゃなくて、他の業界もみんな一緒だと私は思うんです。いつの時代の話かと思うようなことが、医学医療の世界ではまだ行われています。“医療は特別で、24時間仕事で、患者さんの命を預かっているから…”って言いますけど、どの業界もプロは体を張って、24時間頑張っている。それでもお互いに働きやすい環境をこれから作ろうよ、という時代になっているじゃないですか。
安藤:
現場に配属された時に、一緒に働こうという工夫もなされないまま、単に最初からはじくという発想が教育の現場で行われている…、これは、ものすごく恐ろしいことだと思います。
対馬氏:
そうですね。医療だって、いろんな人がいろんな視点を持って、さまざまな人が助けあって、より良い医療をつくっていく気持ちがないといけないと思います。女はダメ、これはダメ、あれはダメとやっていたら本当に貧困な社会になってしまいますよね。
安藤:
男女で足りない部分をカバーし合う、医療界にもそのような仕組みが必要だと感じます。