特支学級いじめ訴訟 暴言など「知らなかった」 佐世保市側は争う姿勢 長崎地裁で初弁論

特支学級いじめ訴訟 暴言など「知らなかった」 佐世保市側は争う姿勢 長崎地裁で初弁論
長崎新聞 2023/9/5(火) 11:30配信

 長崎県佐世保市立小学校の特別支援学級で、4年生の男児=当時=が同級生からいじめを繰り返し受け転校を余儀なくされたのは、学校が適切な対応を取らなかったことが原因として、保護者らが市に約300万円の損害賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論が4日、長崎地裁(松永晋介裁判長)であった。市側は請求棄却を求め、争う姿勢を示した。
 訴状などによると、男児は2021年4月ごろから日常的に加害児童から「死ね」といった暴言を受けるようになった。授業中にアルコールスプレーを目にかけられたり、教師用の定規を左手に振り下ろされたりし、けがを負った。男児は7月ごろから足の痛みを訴え不登校となり、病院で適応障害と診断された。一時は通学を再開したが再び登校できなくなり、11月に市外の学校へ転校した。
 市教委は22年8月、いじめ防止対策推進法に基づく「重大事態」に認定。原告側は、学校側が早期にいじめと認定し対処すべきだったと指摘。加害児童らへの指導は不十分で、再発防止策を取らなかったと主張している。
 一方、市側は暴言など原告側の訴えの一部について「知らなかった」と主張。アルコールスプレーの事案は「目や顔へ近距離で吹きかけたのではなく、少し離れたところから吹きかけた」などと反論した。事案の一部については「いじめに当たりうる行為がある」と認めたが、再発防止策が取られなかった点は否認した。

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