山大元教授の架空発注詐欺:初公判で元教授、起訴内容を全面否認 /山口
毎日新聞 2013年3月7日(木)14時16分配信
LED(発光ダイオード)の架空発注で現金約7000万円を山口大からだまし取ったとして、詐欺罪で起訴された同大大学院理工学研究科元教授、田口常正被告(66)=東京都中央区=の初公判が6日、山口地裁(長倉哲夫裁判長)であった。田口被告は「大学はずさんな経理を見過ごしており、詐欺の故意は全くない」などと起訴内容を全面的に否認した。
起訴状などによると、田口被告は物品納入業者の従業員と共謀。06〜09年、同社にLEDを発注したなどとする虚偽の書類を計233回、大学に提出。業者の口座に代金計7054万円を振り込ませ、だましとったとしている。田口被告はその金でノートパソコンやデジタルカメラなどを業者に納入させ、換金することで金銭を得ていたという。
検察側は冒頭陳述で「業者に納品させたパソコンなどの大半を質屋で換金し、5486万9000円を得た」と明らかにした上で、「飲食代や遊興費などに私的流用していた」と指摘した。これに対して弁護側は「大学側は不正経理を認識しながら(代金を)支払っており、換金した金は研究費用に使っていた」などとして無罪を主張した。
大学は田口被告を10年2月に懲戒解雇し、同6月にLED購入を装って約7000万円をだまし取ったとして詐欺容疑で山口地検に告訴。12年1月に地検が同容疑で逮捕していた。【井川加菜美】
〔山口版〕
3月7日朝刊