破綻の道程:堀越学園解散/2 大学設置で決算偽装 資金確保に躍起 /群馬

破綻の道程:堀越学園解散/2 大学設置で決算偽装 資金確保に躍起 /群馬
毎日新聞 2013年3月30日(土)13時15分配信

 文科省が解散を命じた堀越学園(高崎市)は04年4月の創造学園大開学まで県所管の学校法人だった。同学園の教職員組合によると、同学園では教職員も決算書を見ることができなかった。経営チェックのため情報公開請求で県に提出されたものと、大学設置申請で文科省に出され決算書を入手、調べていくうちに02〜04年度の数字が違うことに気づいたという。同年3月、給与の正常支給を指導するよう求める文科省との話し合いの席で、「二つの決算書の数字が違う」と指摘すると、担当者の顔がこわ張ったように見え、上司が部屋に駆け付けて緊張した雰囲気に包まれたという。
 特に差が大きかったのは、大学設置認可の最終決定資料となる02年度で、03年3月末現在約9億200万円あるはずの負債が、2億7300万円と7割も減額されていた。
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 04年当時、大学を設置する当初4年間は、学生が少なくても持ちこたえるだけの資金的な準備を求められていたという。堀越哲二元理事長を知る学校法人理事長は「『準備金が足りないので融通してくれ』と頼まれた。『貸し付けではだめでしょ』と言ったら、『寄付してくれ、認可がとれたら、すぐ返すから』と言ってきた。文科省がそんなことを許すわけがないのに」と、学園が資金確保に躍起になっていたことを明かす。
 03年3月28日には、所有していた中山キャンパス(高崎市吉井町岩崎)の庭園、下滝キャンパス(同市下滝町)、子供の国幼稚園(同市乗附町)のグラウンドの計3カ所について、東京都内の学校法人との間で売買や売買予約契約が結ばれた。学園関係者は「地代を払ってそのまま使う約束だった。数億円の現金を手にした代わりに、年間千数百万の地代を払うことになった」と話す。
 相手方の学校法人は、当面使う予定のない設備更新の準備資金の有利な運用先と判断したという。
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 決算書問題では、監査報告書の公認会計士の署名・押印が偽造されていたことも判明。文科省の調査に対し堀越哲二理事長(当時)は「提出時の理事長、財務担当理事が死亡しており、改ざんや偽造に至った正確な事実及び責任の所在は明確にできなかった」と回答。文科省は3カ月後の10年10月、大学・学部の新設を5年間認めない処分を発表した。
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 「文科省の処分発表時点では、時効が成立していた。強制捜査で偽造の過程を徹底的に追及してウミを出していれば、学園解散まで行かなかっただろう」と、職員組合幹部は悔しそうに語った。【増田勝彦】=つづく
3月30日朝刊

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