第三者委「もろ刃の剣」 神戸でシンポ
京都新聞 2013年6月2日(日)23時19分配信
学校でのいじめや暴行などで子どもが亡くなった場合に、事件の背景や原因などを調べる「第三者委員会」の在り方を考えるシンポジウムが2日、神戸市内で開かれた。いじめを受けて2011年10月に自殺した大津市の中学2年の男子生徒の父親も出席し、国会で審議されているいじめ対策法案を過去の事案にも適用し、事実を明らかにしていくことを提案した。
シンポは、全国の自治体で相次いで設置されている第三者委の意義や課題を考えようと、全国の遺族らでつくる「全国学校事故・事件を語る会」が開催。遺族や弁護士ら約110人が出席した。
シンポでは、大津をはじめ全国の事例が発表された。担任の暴力が原因で小学6年の長男が自殺した内海千春さん(54)=兵庫県たつの市=は「(相次ぐ第三者委の設置を)手放しで喜ぶわけにはいかない。学校や教育委員会が事態を沈静化するために使うことも可能だ」と問題提起した。
討論後の意見交換では、野口善國弁護士(兵庫県弁護士会)が「第三者委は亡くなった子どもや遺族の人権を擁護するべきで、公正である必要はあるが中立である必要はない」と指摘。大津市の男子生徒の父親は「第三者委の設置や事故後のアンケートの実施を法制化するべき」などと訴えた。