体罰教員6人、県教委が懲戒処分/神奈川
カナロコ by 神奈川新聞 2013年7月12日(金)9時0分配信
県教育委員会は11日、2012年度に体罰を行ったと認定された162人の教員・外部コーチうち、公立学校の教員6人を停職3カ月などの懲戒処分にした、と発表した。全員が運動部の顧問で、いずれも部活動中に体罰を行っていた。
処分されたのは、県立高校の男性教諭4人と女性教諭1人、市立中学校の男性総括教諭1人で、年齢は26歳から59歳。処分内容は停職3カ月と同1カ月、減給6カ月と1カ月(いずれも10分の1)と戒告だった。
部活動の指導中に生徒が指示通りのプレーができなかったり、ミスをしたりしたときに体罰を行うケースが多かった。中身の入ったペットボトルで頭をたたく、正座させ平手打ちする、胸ぐらをつかんで押し倒す、などし、腰を蹴られ、あざが4、5日残った生徒もいた。
特定の生徒に「でくのぼう」と暴言を繰り返し、「おまえはたたかないとできない」「あいつ次やったら殺す」といった不適切な発言もあった。半年間で、多く見積もって約240回の体罰を行っていた教員もいた。
県教委によると、今年2月に行った調査で体罰が認定された公立学校の教員のうち、6割に当たる76人の聞き取りが終わっておらず、詳しい調査が済み次第処分を決め、13年度内に全ての処分を行うという。
◆消せない心の傷
殴る蹴るの暴力に加え、暴言を投げつける「指導」という名の体罰。部活動で日常的に体罰を受けていた県内に住む少年(16)は心に負った傷が消せないでいる。
「中学時代に時間を戻せるなら、今度は高校をしっかり選びたい」。少年は力なくこぼした。
中学校時代、バレーボール部で活躍し、スポーツ推薦で強豪私立高校に進学した。入学前に中学の顧問から言われたことが忘れられない。「あの高校の顧問はすぐに手が出るけど、大丈夫だよな」。1、2回殴られるくらいは平気だと思い、「大丈夫です」と答えた。
だが、実際の体罰は想像を超えていた。「殴る蹴るは当たり前だった。馬乗りになった顧問から顔を殴られた先輩もいた」
ミスすれば殴られ、気落ちすれば「やる気があるのか」と怒鳴られた。
部活帰りの電車の中でチームメートと愚痴をこぼし合った。「もうやめようか」。それでも「スポーツ推薦で入った以上、部活はやめられないと思った」。先輩からは「これでも以前よりはましになった」と我慢するよう求められた。
現在は通信制高校に在籍している。一時は大嫌いになったバレーボールを「楽しむ程度でまたやりたい」と思えるようになったが、前向きな気持ちとはほど遠い。
顧問は今も学校にいると聞いた。私立学校の教員は県教育委員会による処分の対象外。転校する前、母親は学校側と話し合う場を持ったが、学校側は最後まで体罰を認めなかったという。
少年は言う。「自分の人生がねじまげられたのに、顧問は変わらずに学校にいる。納得がいかないし、処分されない限り、自分のなかでも区切りがつかない」。そして続けた。「できれば(暴行容疑で)逮捕してほしいぐらいだ」