【社説】また憲政史の悲劇…政治改革の出発点を作ろう=韓国

憲法裁判所が昨日(4日)、裁判官8人全員一致で尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領の罷免を決定した。憲法裁は「尹大統領は軍警を動員して国会など憲法機関を毀損し、国民の基本的人権を侵害し、憲法守護の義務を破った」とし「国民の信任を裏切った」と指摘した。12・3非常戒厳が宣言されてから122日目、12月14日に弾劾訴追案が国会を通過してから111日目だ。憲法裁は戒厳宣言要件違反、布告令の違憲・違法性、軍警を動員した国会封鎖の試み、政治家逮捕指示、中央選管委員会掌握の試みなど弾劾訴追事由5件をすべて認めた。尹前大統領の非常戒厳宣言が罷免に値するほど重大な違憲・違法ということに異論の余地がないという意味であり、すべての論争に終止符を打ったとみるべきだろう。弾劾審判が長期化して葛藤と混乱が深まったという批判もあるが、憲法裁裁判官全員一致の結論は憲法的価値と社会統合を最優先に考慮したという評価を受けるに値する。 これを受け、尹前大統領は朴槿恵(パク・クネ)元大統領に続いて2番目に任期を満たせずに退く大統領となった。繰り返される大統領の弾劾は深刻な国家的不幸だ。後遺症が生じてはならないが、楽観はできない。2日に発表された全国指標調査(NBS)で「審判の結果が自分の考えと違えば受け入れない」という回答が44%にのぼった。大韓民国の法治と民主主義の回復力が試される。憲政秩序の最後の砦である憲法裁の決定に政界はもちろん国民全体が承服する知恵が求められる。 もう弾劾政局は終わった。尹前大統領は宣告の直後、「国のために仕事ができて大変光栄だった。期待に応えられず申し訳ない」という立場を表した。その言葉通り憲法裁の決定に承服する一方、熱烈な支持勢力を説得して自制と承服を引き出すことで国政の安定に寄与することを望む。 国民も憲法裁の決定を受け入れて日常に戻る時だ。弾劾賛成デモも反対デモも、一部の熱烈な勢力を除いて国を思う気持ちから参加した人が多かったはずだ。もう互いに心を開いて統合と和合の道に共に進む時だ。共に民主党も「我々が勝った」と歓呼する時ではない。憲法裁は判決文で「民主党の弾劾訴追が異例に多く、政府が反対する法律案を一方的に通過させた」とし、民主党も戒厳事態に対する責任が少なくないことを叱責した。 我々は8年前に大統領弾劾を経験しながらも2人目の大統領弾劾を防げなかった。与野党が熱烈支持層に頼る「戦争政治」癖を正すどころか、むしろ葛藤を深刻化した結果だ。こうした点で、弾劾されたのは尹前大統領だけではない。帝王的大統領と党代表、数%を多く得票しただけで100%の権力を握る小選挙区制など「87年体制」のあらゆる矛盾も共に弾劾されたとみるべきだ。 38年前とは比較にならないほど発展した大韓民国にこれ以上合わない現行憲法を改正しなければ、今のような政治悲劇が繰り返されないという保証がない。権力分散と中大選挙区制を核心とする改憲は一刻も先送りできない焦眉の国家的課題となった。すべての有力な大統領選候補がすでに改憲に賛成する意向を表した中、一人で沈黙してきた民主党の李在明(イ・ジェミョン)代表の参加が特に重要だ。李代表は「内乱の克服が先」という言葉を繰り返してきたが、尹前大統領が弾劾されただけに今はもう改憲に賛同しない理由はない。今後60日以内に第21代大統領選挙が行われる。うんざりする葛藤と不毛の政治を終わらせ、未来のための統合と生産の政治を模索しなければいけない時間だ。

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