論文にデータ不正流用…琉球大教授を懲戒解雇

論文にデータ不正流用…琉球大教授を懲戒解雇
2010年8月25日15時44分配信 読売新聞

 琉球大は25日、医学専門誌に発表した論文などに不正にデータを流用していたとして、同大医学研究科の男性教授(40歳代)(ウイルス学)を懲戒解雇処分(24日付)にしたと発表した。

 同大によると、教授は2003年4月に同大に赴任。不正があったのは、同7月から今年3月まで、教授自身や指導する大学院生が発表した血液のウイルス研究など38編の論文。実験で使った検体とは別のデータをほかから転用するなどしていた。

 今年3月、米国の専門誌の編集者から同大に対し、掲載した2編の論文にデータ画像の重複があるとの指摘があり、同大が教授がかかわった計50編の論文について調査していた。

 大学に対し、教授は「迷惑をかけて申し訳ない」と不正を認めているが、「懲戒解雇処分は重すぎる」と訴えているという。

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論文データ流用 卒業生学位取り消しも
2010年8月26日9時50分配信 琉球新報

 琉球大学(岩政輝男学長)医学研究科の40代の男性教授の研究論文にデータ流用の不正があった問題で、琉大は25日、男性教授を懲戒解雇処分にしたと公表するとともに、男性教授の指導で博士号を取得した卒業生11人の学位が取り下げられる可能性があると明らかにした。
男性教授の処分は24日付。現職教員の懲戒解雇は、同大の国立大学法人化以降初めて。
 25日、琉大の平啓介理事、新里里春理事、佐藤良也研究科長らが医学部で開いた記者会見した。平理事は「研究者倫理に著しく反した行為。多くの関係者にご迷惑を掛けたことをおわびする」と謝罪した。
 琉大は2002年4月に男性教授が赴任して以降、連名を含め著者になった全論文50編を対象に調査。38編に過去の実験データの重複使用や論文間の転用など不正が見つかった。うち19編が大学院生(当時)が筆頭著者として発表された。19編のうち11編が博士号取得のための論文だった。
 琉大医学研究科では博士号の論文審査基準に、学術誌への掲載が求められている。一度掲載された論文でも学術誌側が撤回すれば学位も自動的に失われることになる。
 琉大は11人の論文の対応について発行元などと協議する方針だ。

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