<浪速高校>大学合格実績を水増し 受験料負担し大量出願

<浪速高校>大学合格実績を水増し 受験料負担し大量出願
毎日新聞 2012年1月8日(日)12時16分配信

 大阪市住吉区の私立浪速高校が11年度大学入試で、成績優秀な生徒4人の受験料計約50万円を実質負担し、立命館大を中心に延べ22学部・学科に大量出願させていたことが、毎日新聞の取材で分かった。同高はホームページで同大学の11年度合格者数を「延べ32人」と公表しているが、9人分は生徒1人が合格したもの。合格実績を「水増し」していたことになり、実績を優良と見せかける表示を禁じた景品表示法に抵触する可能性がある。

 関係者や内部資料によると、成績優秀な生徒や保護者に「頑張りを後押しする寄付があった」などと説明し、余分に受験を要請。4人は主に大学入試センター試験の成績を利用できる立命館大の理系学部・学科などを受けたが、合格しても入学せず国立大を目指して浪人中の生徒もいる。

 複数の関係者によると、高校側が要請した受験の費用は生徒側がいったん負担し、大学への振込書類を提出させて後払いする仕組み。木村智彦校長(65)の指示で昨年から本格的に始まったという。

 毎日新聞が入手した受験生のリストなどは「Xファイル」と名付けられ極秘扱い。本命校など自主的に受験する費用は負担しないことや、金銭授受を示す文書は残さないなどのルールがあり、関連の会合後、関係書類は全て回収され、厳重に口止めされたという。

 取材に対し、木村校長は受験料負担について「学校会計からの支出は一切ない」とし、一部教員が誤って受験料支援を申し出た、と文書で回答。合格者実数の非公表は認めつつ「入試説明会では最終進学先を実数で説明している」と答えた。【林田七恵、日野行介】

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<浪速高校>合格実績水増し、少子化で学校に「焦り」
毎日新聞 2012年1月8日(日)12時21分配信

 私立浪速高校(大阪市住吉区)で明らかになった大学合格実績の「水増し」。学校関係者は「不適切と分かっている」と証言する。受験料を負担した生徒の実績などを列挙した内部資料「Xファイル」からは、少子化で生徒獲得競争が激化する中、進学に有利であることをアピールしたい高校側の「焦り」が透けて見える。

 合格実績の水増しを巡っては07年、大阪学芸高校など大阪府内の私立高校で広く行われていたことが発覚。同高の校長と運営する学校法人の理事長が辞任した。府は当時、生徒の進学意思を尊重し、大学合格実績は延べ人数だけでなく実数を公表するよう通知した。

 浪速高校の木村智彦校長(65)は、この問題が発覚した当時、自身のブログで「退任した前校長は『生徒募集への焦りがあった』と自己反省していた」と書いていた。

 関係者によると、その木村校長が「学校は進学実績(で決まる)。進路指導にも『公金』を使う」などと言い始めたのは10年5月ごろ。成績優秀な生徒に「関関同立」など有名私大を受けさせるよう指示し、教員らは負担する受験料の原資として「関係機関から寄付金を受けた」と生徒や保護者に説明するよう命じられたという。

 同校の合格実績作りに加担した形の保護者は戸惑い気味。1人で立命館大の延べ9学部・学科に合格した男子生徒の母親は学校側の負担について口を濁し、「何が問題か、私たちは受験のプロではないから分からない。全て学校に任せている」と漏らした。別の男子生徒の母親も「何も答えられない。プライバシーの侵害だ」と話した。

 同校の系列の浪速中が設けた「関大コース」ではこれまでに、実際には取り決めがないのに関西大に推薦入学できるなどと、木村校長が入試説明会で虚偽説明していたことが毎日新聞の取材で明らかになっている。【日野行介、林田七恵】

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