神奈川歯科大投資詐欺事件判決、元理事に懲役2年8月/横浜地裁
カナロコ 2012年3月10日(土)5時30分配信
学校法人神奈川歯科大学(横須賀市稲岡町)元理事らによる詐欺事件で、詐欺罪に問われた同大元理事の清水利朗被告(73)の判決公判が9日、横浜地裁であり、大島隆明裁判長は懲役2年8月(求刑懲役5年)を言い渡した。
弁護側は「詐欺行為はなかった」などとして無罪を主張していたが、大島裁判長は「被告は当時の理事らと共謀し、大学に出資を勧めた投資運用組合が出資金の運用に失敗していたことを知りながら、その事実を隠して、理事長に追加出資をさせた」として、弁護側の主張を退けた。
その上で「被害が巨額で動機も身勝手。実刑で罪の償いをさせるべき」と述べ、求刑を下回ったことについては「詐欺の態様や関与の程度などを総合すると、検察官の求刑はやや重い」とした。
判決によると、清水被告は2008年、投資会社社長や当時の大学理事らと共謀し、大学の資産運用を考えていた同大理事長に2億5千万円の出資を持ち掛け、だまし取った。
弁護側は即日、東京高裁に控訴した。
04年3月に「理事らが裏口入学で500万円授受」とスポーツ紙が報じた。OBの歯科医(川崎市)が02年に「娘を補欠入学させて」と理事、評議員に頼んだ。調査委を設けた学校側は「理事らは授受を認めたが、厳重注意処分にした」と発表した。
「この理事は三宅容疑者だ」と関係者は証言する。「娘は3回受験に失敗。親が騒ぎだし、学校を介して500万円は返還された」という。
当時の学長の会見には清水容疑者も同席した。「大学の名誉を傷つけた理事を懲戒免職にしないのか」との記者の質問に、学長は「辞めさせる規定がない。理事の選出方法を改める」と答えたが、三宅容疑者は居座った。
また、理事会で解雇された元理事が03年に「理事会で『裏金3億5000万円の一部を着服』と言われ、名誉を棄損された」と清水容疑者を訴えた。横浜地裁横須賀支部は「発言の証拠が皆無」と清水容疑者に500万円(2審は300万円)の支払いを命じた。
判決は「自らの大学出身者による大学内の覇権確立を狙った」と派閥抗争を指弾したが、敗訴後も清水容疑者は理事を続けた。
清水容疑者は同大2期、三宅容疑者は3期。関係者は「巨額投資は05年からで、500万円事件以後だ。社会常識とかけ離れた問題の理事を辞めさせられない体質が学内にあった」と悔やんだ。
学校法人神奈川歯科大学(横須賀市稲岡町、久保田英朗理事長)が資産運用で多額の損失を出し、投資会社がずさんな運営を行っていたとして、同法人が投資会社を金融商品取引法違反罪などで刑事告訴を検討していることが7日、同法人への取材などで分かった。
同法人によると、2005年9月から複数の投資会社での資産運用を開始。このうち横浜、東京、シンガポールの三つの投資会社で運用した約66億円のうち約52億円の損失が出たという。