<兵庫いじめ自殺>同級生の訴え、事実確認せず

<兵庫いじめ自殺>同級生の訴え、事実確認せず
毎日新聞 2012年9月16日(日)22時24分配信

 今月2日に自殺した兵庫県川西市内の県立高校2年の男子生徒(17)がいじめを受けていた問題で、今年6月に同級生の女子生徒が「男子生徒の机が違う場所にわざと動かされている」と担任教師に訴えたのに、高校は男子生徒に事実関係を確認していなかったことが分かった。高校は「いじめを把握していなかった」としているが、いじめのサインを見逃した可能性がある。

 高校によると、女子生徒も机を動かされるいたずらを受け、6月に担任教師に相談。自殺した男子生徒も同じいたずらを受けていると伝えた。担任はいたずらをした生徒を呼び出して指導し、女子生徒へのいたずらはなくなったが、男子生徒については「本人からの訴えがなかった」として聞き取りはしなかった。高校は「こちらから確認すると本人を傷つけることになりかねないと判断した」と説明している。

 また、高校によると、男子生徒は今年5〜7月に計3日、学校を休んでいた。5月は両親に「学校に行く」と言いながら無断欠席。6月は腹痛を訴えて欠席した。この際に担任が男子生徒に話を聞き、「頑張って学校に行くので大丈夫」と話したため、問題は解決したと判断したという。

 自殺後に実施したアンケートや聞き取り調査では、半数の生徒がいじめがあったと答え、いじめは2年生から始まったという回答が多かったという。【宮武祐希、高瀬浩平】

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