生命脅かされる恐れ15件 福知山市教委の小中学生いじめ実態調査アンケート
両丹日日新聞 2012年9月25日(火)16時3分配信
福知山市教委は24日、9月の定例教育委員会を開き、文部科学省からの通知で全国的に行われた「いじめの実態調査アンケート」の結果を報告した。それによると、市内の全小中学校の今年4月から8月までの約5カ月間で、いじめの件数(複数回答)は2985件あり、そのうち813件については未解決で、重大な事態に至る恐れがあると考えられるものも15件あったという。
■金品からむ被害426人■
このアンケートは、大津市のいじめ問題を受け、子どもの視点に立っていじめの実情や現状把握を行い、その解消に努めることを目的に、全国の小中学校を対象に実施した。
市教委では、8月29日の市立学校校長会議で実施内容について説明。同月31日から9月5日までの間に、市内の小学校26校の児童4558人、中学校9校の生徒2285人に対してアンケートを行い、このほど集計結果をまとめた。
それによると、「悪口を言われ嫌だと思ったことがありますか」などの質問も含め、いじめられた経験のある子が、小学校は1335人で全児童数の29%、中学校では614人で全生徒数の27%に上った。
項目別に見ると、「悪口や嫌なことを言われる」が1193人で全児童・生徒数の17%を占めて最多。次いで「軽くたたかれたり、蹴られたりする」が437人、「金品を隠されたり、盗まれたりする」が426人あった。
また、「殺したろか」といった暴言を繰り返し吐かれるなどして、生命が脅かされるような、重大な事態に至る恐れのあるいじめが、小学校で10件、中学校で5件あった。
これらの事案は、学校ごとに2者面談などをして実態を把握し、早急な対策を講じており、時間をかけて解決を目指すという。
アンケート結果について、荒木徳尚教育長は「子どもたちは、ありのまま回答してくれた。結果を重く受け止め、いじめと向き合う再出発点にしたい」としている。
今後は、いじめられている児童、生徒は最後まで絶対に守ることを基本姿勢に、アンケート内容を検証する場を設置する▽学校だよりなどで、結果を保護者や地域に知らせる▽悪質な事案については警察と連携するなど、いじめに対応していく方針だという。