核燃料物質:茨城大の実験室で、無登録の物質発見 /茨城
毎日新聞 2012年9月27日(木)11時32分配信
茨城大は26日、水戸キャンパスの理学部の実験室で、国に登録していない核燃料物質が見つかったと発表した。同大は、放射線量は微量で健康や外部環境に影響はないとしている。特別委員会を設置し、原因を究明する方針。
同大によると、発見されたのは硝酸ウラニル、硝酸トリウム、酢酸ウラニルの粉末で、いずれも25グラム入りの試薬瓶に入っていた。試薬瓶から50センチ離れた場所の放射線量は毎時0・1マイクロシーベルトで、市内の放射線量率と同等だった。実験室からはポリタンクに入った廃液計36リットルも発見。ウランを示すと見られる「U」の字があることから、ウランを含有しているとみて確認を進めている。同大は25日に文部科学省に連絡した。見つかった核燃料物質は、鉛で遮蔽(しゃへい)された鍵のかかる保管庫に移動させた。
同大では理学部G棟の改修工事に伴い3〜7日、引っ越し作業を行っており、理学部教員が廃棄物品を確認中に試薬瓶を発見した。1981年に同大に赴任した男性教授(故人)が、核燃料物質の見つかった教室を使用していたことなどから、同教授が前任校から持ってきたと見られるという。【杣谷健太】
9月27日朝刊