小田原市立中で学習状況などの資料流出、校内放置され生徒がコピー/神奈川

小田原市立中で学習状況などの資料流出、校内放置され生徒がコピー/神奈川
カナロコ 2012年10月5日(金)23時0分配信

 小田原市教育委員会は5日、市立中学校で2011年度用に作成した1年生のクラス編成資料が生徒によって11枚コピーされ、校外に流出したと発表した。3クラス約100人の生徒に関して、学習状況のほかに、いじめや問題行動などの重要な個人情報が、クラス別の一覧表で記載されていたが、校内に放置されていたという。学校側は6日、保護者説明会を開いて謝罪する。

 市教委によると、この資料は11年3月、新入生の受け入れに際して小学校側から聞き取った内容を中学校の40代の学年主任がまとめた。その後、異動に伴い、40代の1年担任教諭に預けた。管理責任は学年主任にあるが、担任は後任の50代の学年主任に資料を渡すのを忘れた。

 担任は12年3月、この資料に気が付き、他の資料と一緒に処分しようと空き箱に入れたが、再び忘れて技術科の作業室に放置。同9月下旬、合唱練習をしていた3年生の生徒が、机の上にあった箱を落とし中身が散乱、数人がこの資料を見つけた。

 同10月3日、自分たちのことが書かれていた資料の話を聞いた2年生2人が放課後に箱から持ち出し、近くのコンビニで仲間に11枚コピーさせ校門付近で読み回した。一部生徒が持ち帰り、その保護者が学校に連絡して発覚したという。

 資料はA4判用紙にクラス別に計3枚。生徒一人一人のリーダー性、人間関係での配慮、家庭環境などが記載されている。資料は持ち出し禁止の扱いで、クラス編成の作業後は「速やかにシュレッダーで処分」する規則になっている。それまでは学年主任が鍵の掛かる机などに入れ、管理するという。

 前田輝男教育長は「失念という初歩的なミスで、規則が守られていれば防げた。現場に危機意識が足りないのか、複合的な原因なのか、調べたい」などと謝罪した。市内の学校現場では1年前、通知表の記入ミスが相次いで発覚。給水弁の閉め忘れによるプールの水の大量流出など、不祥事が後を絶たない。

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