奈良市・中2男子裸撮影 市教委「深刻ないじめ」 早期発見できず謝罪
産経新聞 2012年10月31日(水)7時55分配信
奈良市の市立中学2年の男子生徒(13)に裸になるよう命じ、携帯電話で撮影したとして同級生ら4人が逮捕された事件。30日会見した市教委の担当者は「深刻ないじめ」と認め、事前に何度も学校現場でいじめ把握のアンケートを実施しながら、把握できなかった対応の不手際を認め、「早期発見できなかった。誠に申し訳ない」と謝罪した。
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市教委によると、同級生らから男子生徒に対するいじめは今年4月ごろから始まり、暴行や小銭を奪うなど次第にエスカレート。場所も学校から、同級生の自宅や公園などに拡大していった。担任の教諭は「仲の良い友人同士に見えていた」と報告しており、いじめの把握が遅れたという。
この学校では独自に毎年6月、学校生活全般について全校生徒対象のアンケートを実施しており、7月には担任教諭による面談もしていた。
さらに大津市の中2男子が自殺した問題を受け、9月には県教委によるいじめ把握のアンケートも実施したが、いずれも今回いじめを受けていた男子生徒は、いじめをうかがわせる回答をしていなかった。
男子生徒は今回の問題発覚後、ようやくいじめに遭っていることを打ち明けた。加害者側の同級生らもいじめを認め、謝罪したという。
いじめの把握が遅れたことについて、市教委の担当者は「早期発見ができなかったことは問題だ。アンケートには限界がある」と認め、「学校単位や学級単位、部活単位などで、重ねて網をかけていくしかない」としている。
市教委は今後、生徒からいじめの相談を受ける非常勤カウンセラーの勤務日を増やしたり、学校外で相談できる場所を確保するなどの対策を検討していく。