山形に勤務の高校講師、ネットで中傷 情報モラル担当、罰金と賠償命令も

山形に勤務の高校講師、ネットで中傷 情報モラル担当、罰金と賠償命令も
山形新聞 2012年11月10日 07:53

 山形市内の私立高校に勤務する40代の男性非常勤講師が、インターネット上で男性を誹謗(ひぼう)中傷し、名誉を傷つけたとして、裁判所から110万円の損害賠償を命じられていたことが9日、関係者への取材で分かった。講師は情報モラルなどの授業を担当している。取材に対し、高校は同日、「プライベートの問題と考えている。今後、同様のことがないように『厳重注意処分』とした上で、雇用を継続している」と説明した。

 高校によると、講師は2008年4月から非常勤として週5日勤務。生徒にパソコン操作の基本や、グラフィックデザイン制作などを指導している。インターネットを活用する上での情報モラルについても教えており「指導は熱心で、信頼もある」(同校幹部)。高校は今年6月、民事訴訟の原告関係者からの連絡で、講師の名誉毀損(きそん)行為を初めて知り、講師に事情を確認したという。

 判決によると、講師は09年4月ごろから、自身が開設したブログに、別のブログでうつ病患者の支援活動に取り組む男性(東海地方在住)に関する虚偽の中傷文言を繰り返し掲載した。講師は、男性の関係する会の名称をネットで検索すると、中傷文言が表示されるようにしていた。

 男性は09年8月、警視庁に被害届を提出。講師は10年2月に山形区検に名誉毀損罪で略式起訴され、罰金の略式命令を受けた。男性は10年7月に講師に440万円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こし、今年5月、地裁は110万円を支払うよう命令。男性は賠償額を不服として控訴したが、10月下旬に東京高裁が棄却し、一審判決が確定する見通し。取材に応じた男性は「いじめによる子供の自殺が大きな社会問題となっている中、現役の高校講師がネットの匿名性を隠れみのにして誹謗中傷を繰り返したことは許されない」と話している。

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