内柴被告 教え子主張に反論、涙も…「不安で死のうと考えた」
スポニチアネックス 2012年11月29日(木)8時4分配信
指導していた大学の女子柔道部員に遠征先で乱暴したとして、準強姦(ごうかん)罪に問われたアテネ、北京両五輪の柔道金メダリスト内柴正人被告(34)の第5回公判が28日、東京地裁(鬼沢友直裁判長)で開かれた。被告人質問で被告は、あらためて合意の上での性行為だったと強く主張。一方で「この先どうなるのかと不安で、死のうと考えた」と涙を流す場面もあった。
この日行われたのは弁護側の被告人質問。内柴被告は「カラオケ店で(被害者から)抱きつかれキスをされた。その後、びっくりさせようと陰部を出したら、フェラチオをしてくれた」と、被害者側から性的な接触があったと供述。これで「スイッチが入った」とした。
事件当日、内柴被告と被害者ら部員一行の計7人は焼き肉店で飲食し、カラオケ店へ。内柴被告はカラオケ店から被害者を宿泊先のホテルに連れ出し、被害者の部屋で性行為に及んでいる。
内柴被告の証言によると、カラオケ店で被害者は、ソファに座る内柴被告の股の間に入り、床に座って行為に及んだ。一方、この間、別の女性部員が内柴被告のひざまくらで寝ていた。被害者の行為は誰にも目撃されておらず、傍聴席からは「不自然」との声も。
内柴被告は「酔って覚えていない」とする被害者の主張に次々と反論した。被害者をおぶってカラオケ店からホテルに連れ出す際、「(被害者が内柴被告に)しっかりつかまっていたから、後ろにひっくり返らなかった」と、被害者のしがみつく力が強く、意識が明確だったと強調。ホテルで性行為に及ぶ前にも「フェラチオしてもらった」「“奥さんいるのにいいの?”と聞かれた」とし、合意の上だったと重ねて主張。性行為中は「被害者のあえぎ声が大きかった」とした。
事件翌朝には、ホテルの内柴被告の部屋で被害者と話し合い、性行為があったことを口外しないよう伝えた。カラオケ店で被害者から性的接触があったことを訴えると、被害者は「覚えてない」と否定。しかし「フェラチオの仕方が特徴的だったので、その特徴を伝えると、被害者は両手で頭を抱えて“あ、それ、(普段はそうやって)やります”と答えていた」とし、被害者に心当たりがあったと強調した。
話し合いの後、そのまま部屋のベッドで「腕枕をして一緒に寝た」とも。一方で「この先どうなるのかと不安で、死のうと考えた」と涙を流す場面も。自殺を考えて家族を実家に預けたが「妻から“死ぬなよ”と言われて気持ちが収まった」と話した。
29日は検察側の被告人質問が行われ、厳しい追及が予想される。