教え子暴行・内柴被告「男としてのスイッチが入ってしまった」

教え子暴行・内柴被告「男としてのスイッチが入ってしまった」
フジテレビ系(FNN) 2012年11月29日(木)18時7分配信

教え子の女子大生に暴行した罪に問われている柔道のオリンピック金メダリスト・内柴正人被告(34)の裁判は29日、検察側が内柴被告を追及した。女子部員に対する性的行為の記憶をめぐり、裁判長からも質問が投げかけられた。

検察側「あなたからキスをした?」
内柴被告「どうでしょう。わからない」
検察側「きのうは(女子部員が)『してきた』と」
内柴被告「(自分が)『してきた』と言ったんですか? どちらとも、とれないんじゃないですか」

検察側からの厳しい追及を受けたのは、教え子の女子部員に性的な暴行をしたとして、準強姦(ごうかん)の罪に問われている柔道のオリンピック金メダリスト・内柴正人被告。
被告人質問の2日目の29日は、検察側が事件の核心に迫る質問をぶつけた。

内柴被告「ゆっくり聞いて、質問してください。なんだったら、お願いしますね」

28日の弁護側による被告人質問で、内柴被告は「その夜の一連の流れから、合意のうえでの性行為と感じた」と、あらためて無罪を主張した。
29日の被告人質問では、検察側は、ホテルで性行為に及ぶ直前に訪れた、カラオケ店での出来事について問いただした。

検察側「焼き肉店から、向かいの5階のカラオケ店に移動しましたね」
内柴被告「階数覚えてないっす」

ここで、性的な接触があったのかどうかは、争点の1つとなっている。

検察側「学生たちは歌っていない?」
内柴被告「そうです」
検察側「歌わずに、個室で何をしていたのですか?」
内柴被告「推測ですが、寝ていたのでは」
検察側「思い出せない?」
内柴被告「僕はやっていない事件で、1年間閉じ込められて、いろんなことを思い出すんですよ!」

詳細について、繰り返し聞かれると、内柴被告は、少しいらだった様子で、「記憶にあいまいな部分がある」と主張した。
28日の弁護側とのやり取りでは、リラックスしていて、受け答えもスムーズだったが、29日の検察側とのやり取りの中では、何度も質問を聞き返したり、検察官に「もうちょっとゆっくり」と言うなど、強気な姿勢を崩していなかった。
検察側の質問はさらに、カラオケ店でのある行為に及んだ。

内柴被告「(トイレで)指を突っ込んで吐かせて、何かきっかけが生まれたのか、(カラオケ店の)部屋に帰ってきて、女子部員がもたれかかってきて、指導者じゃなく、男としてのスイッチが入ってしまったのか、トイレでキスをしてしまいました」
検察側「キスは、カラオケ店での、性的な接触へのきっかけになる話ですよね?」
内柴被告「はい」

29日の法廷で、内柴被告が、女子部員との性行為に及ぶきっかけになったと話したカラオケ店でのキス。
この点については、内柴被告がトイレから出たら女子部員が抱きついてきて、キスをしたと主張しているのに対し、女子部員は、どこかのトイレで吐かせてもらったのは覚えているが、カラオケに行った記憶はないと、すでに泥酔状態で覚えていないとしている。
検察側は、大学が逮捕される前の内柴被告から聞き取りを行ってまとめた、事件の報告書には、キスをしたことが記載されていないことを追及した。

検察側「大学での聴取では、なぜキスの話をしなかったのか?」
内柴被告「その部分は、今は記憶にないです。もう少しゆっくり話してください」
検察側「(性的な接触にいたる)一番のきっかけについて、あなたが覚えていないという状況があったんですか?」
内柴被告「忘れていた時期もあったかもしれません」

すると突然、このやり取りに裁判長が割って入った。

裁判長「わざと話していなかったのか、覚えていなかったのか、教えてください」
内柴被告「わからないです。それは、はっきり言えません」

事件の端緒となる重要な部分の追及に対し、「当時は記憶があいまいだった」と説明した内柴被告。
その一方で、カラオケ店の室内で、女子部員と性的な接触があったと説明する際には、自ら申し出て、弁護側の前の席にある長いすに腰をかけて、「ここに頭があって、腰をこうやって浮かせて」などと、身ぶり手ぶりを使って説明をした。
また、ホテルでの性行為のあと、部屋を出る際に女子部員に対し、「お前、俺に犯されたんじゃないよね?」と、くぎを刺したとされる点についても聞かれると、「犯してないんで、そういうことを聞くはずがないです」と述べて、強く否定した。
裁判は、12月27日の第8回公判で結審し、年明けに判決が下される予定。

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