高校入試調査書「コピペ」乱用で誤記入 神戸市教委謝罪
神戸新聞NEXT 2014年3月5日(水)8時0分配信
中学生の進路を左右しかねないミスを招いたのは、パソコンの機能「コピペ」(コピーアンドペースト)の乱用だった。神戸市立中学4校が高校入試の調査書に成績を誤入力していた問題で、同市教育委員会は4日、緊急会見を開いて謝罪。過去にも同様のミスがあった可能性が否定できず、問い合わせ用の電話窓口を急きょ設置した。
4校の中で最も多い誤入力が見つかった同市灘区の原田中。公立高校を受験する91人全員の調査書が間違っていた。大量のミスにつながったのは、簡単に大量のデータを別の資料に貼り付けることができる「コピペ」機能を使ったためとみられる。
同校の進路担当教諭はパソコン上の原簿データから1年の成績をコピーしたにもかかわらず、調査書を作成する際に2年の欄に移していた。逆に2年のコピーは1年に転載し、誤りに気付かないままミスを繰り返した。
他の学校でも担当教諭がパソコンで調査書を作成したが、この機能を使い、年間の成績を入力すべき欄に1学期の成績を移して貼り付けるなどしていた。
その上、4校とも原簿との照合をしないまま高校側に提出。市教委は「必ず原簿と確認するよう伝えていた」とするが、指導は徹底されていなかった。
会見では、過去の誤入力の有無にも質問が及んだ。市教委は「現時点では今年に限ったミスだと思う」としたが、明確な根拠はなく、過去の受験生からの問い合わせには「誠意を持って対応する」とした。本来は合格していたのに不合格とされたケースが確認されれば、損害賠償も含めて対応を検討するという。
市教委TEL078・322・5784(平日午前9時〜午後6時)
(田中陽一)