京都市教委、調査に及び腰 無免許での授業疑いに

京都市教委、調査に及び腰 無免許での授業疑いに
京都新聞 2014年7月19日 20時29分配信

 京都市立中学校で、教員免許がないのに、男性(45)が計14年教えていた疑いがある問題で、男性の死亡から4カ月が過ぎたが、市教育委員会は「卒業生に影響はない」として積極的には調査していない。教員免許制度は学校制度の根幹をなす。識者からは「授業を受けた生徒、保護者への説明責任がある」として調査しないことに疑問の声が上がっている。
 「過去に生徒が受けた授業が無効になることはない。たとえ免許がなくても、きちんとした授業をしていた。男性は亡くなっており、これ以上影響が広がることはない」「本当に無免許なら先生を尊敬していた生徒が傷つく」。市教委は調査しない理由をこう説明した。
 市教委は男性が死亡した当初から、勤務先の中学校や家庭などで目立ったトラブルはないため、「無免許の発覚を恐れた可能性がある」と認識していた。
 一方、「まれなケースだが、男性は履歴書の大学では免許取得のために必要な単位が取れず、他の大学を受講し、京都府以外の都道府県で個人申請した可能性はある」としている。
 全国の情報が登録されている「教員免許管理システム」を使えば、男性が免許状を持っているかどうか分かるが、市教委はしていない。「真実に近づける行政の役目はあるが、個人情報保護の観点と比べて、そこまで追求する公益性がない」という。
 関東地方の教委の担当者は「疑いがあるなら京都市教委自ら免許の有無を証明すべきことだ」と話す。
 放送大の小川正人教授(教育行政学)は「正確な情報を開示するのが、教育行政の責任者としてのあるべき姿だ。当該の男性から授業を受けていた生徒や保護者への説明責任があり、これから無免許教員が教壇に立つのを防ぐためにも手を尽くさなければいけない」と指摘した。

■更新制不正あぶり出し、「想定外」の効力

 教員免許がないのに先生として長年教えていたケースが全国で相次いで発覚している。教員の指導力不足をなくす目的で導入された教員免許更新制が、無免許者をあぶり出す想定外の形だ。
 大阪府教育委員会によると、今年2月、東大阪市立中学校の男性教諭が無免許状態で約15年間教えていたことが判明した。友人から借りた免許状をコピーし、氏名や免許番号を書き換えていた。1月末に免許更新のため、この偽造免許状を提出し、免許番号の登録者が別人と判明したという。
 横浜市教委によると、2011年7月、市立高の男性副校長が数学の免許状を持たずに数学の授業を受け持っていた問題が明らかになった。免許更新手続きの際に、中学と高校の数学の教員免許状授与証明書や、東京大の卒業証明書など計5通を偽造して同市教委に提出したのがきっかけだった。
 12年12月には、金沢市の私立高で、非常勤の男性講師が約14年にわたって教員免許を持たずに授業をしていたことが分かった。更新の申請期限が迫っていたのに、申請がなかったため石川県教委が問い合わせて発覚した。
 文部科学省は昨年8月、各都道府県教委に、教員免許管理システムなどを活用し、現職教員の免許が有効かどうか確認するよう通知した。

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