<傷害容疑>豊田大谷高の野球部監督を逮捕 部員に暴力
毎日新聞 2014年7月31日 21時40分配信
野球部員の男子生徒に暴力を振るって重傷を負わせたとして、愛知県警豊田署は31日、同県豊田市の私立豊田大谷高校の硬式野球部監督、川上貴史容疑者(33)=同県日進市米野木町=を傷害容疑で逮捕した。
容疑は2013年7月19日午後3時半ごろ、同校のグラウンドで練習中、当時1年生だった部員の男子生徒(16)の頭や顔を殴ったほか、腹などを蹴ってあばら骨を折る重傷を負わせた、としている。川上容疑者は「殴ったことは間違いないが、蹴って骨折はさせていない」と一部否認しているという。
同署によると、川上容疑者は男子生徒の態度が悪かったことに激高したという。男子生徒は同年8月に骨折と診断され、学校に相談。同12月には野球部を辞め、今年3月に転校した。被害届も同月に出された。
一方、愛知県高校野球連盟の森淳二理事長らによると、昨年、保護者から体罰の訴えがあり、川上容疑者から事情を聴いたところ「昨夏の練習で男子生徒が胸ぐらをつかんできたため、落ち着かせようとグラウンドの端に連れて行っただけ」と説明された。暴力があったとされる日の後に男子生徒が練習試合に出場したことを記録したスコアブックを確認し、負傷の事実はないと判断したという。森理事長は「(逮捕容疑が)事実ならショック」と話した。
県も保護者からの訴えを受け、高校に報告を求めた。高校から「事実はない」との回答があり「どちらが正しいか判断できなかった」という。
同校野球部は1997年と98年の夏の甲子園に出場した強豪。川上容疑者は98年夏のメンバーで、12年に母校の監督に就任した。今夏の愛知大会は4回戦で敗退した。【三上剛輝、岸本悠】
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豊田大谷高校の加藤順一校長と山本弘幸教頭は31日夜に記者会見し、「関係者にご迷惑をおかけし申し訳ない」と陳謝。「調査の結果、暴行は把握できなかった」と説明した。野球部の生徒は当面、自宅待機とし、学校として調査するという。【中島幸男】