中1「いじめでPTSD」提訴 金沢市と3人の保護者相手に
北國新聞社 2014年9月18日 3時18分配信
小学4年から約2年半にわたって同級生からいじめを受け続け、心的外傷後ストレス障害(PTSD)を発症したのは、学校側が適切な対応を取らなかったためとして、金沢市内の中学1年の男子生徒が17日までに、金沢市と同級生3人の保護者に対し、計約580万円の損害賠償を求める訴えを金沢地裁に起こした。いじめの問題が法廷に持ち込まれるのは石川県内では珍しく、学校側の対応に不備がなかったかどうかが争点となりそうだ。
訴状によると、男子生徒は小学4年だった2011年9月から卒業する14年3月までの間、同じクラスの児童から背中や足をたたかれたり、蹴られたりするなどの暴行を受けた。「同級生の漫画を盗んだ」と身に覚えのない嫌疑をかけられ、「死ね」「きもい」と悪口を言われるなど日常的にいじめを受け、不眠症やPTSDを発症したとしている。
男子生徒は担任の教諭にいじめを受けていると何度も申し出たが、教諭から生徒に非があるかのような対応を取られ、それがいじめを助長する結果を招いたと主張している。
さらに、男子生徒は5、6年の時、いじめを苦に3度にわたって校舎から飛び降りようとするなど、自殺を図ろうとし、ほかの児童や教諭が止めた。学校側はこの事実を把握していたにもかかわらず、生徒や加害児童の両親に報告しないなど、適切な対応をしなかったとしている。
金沢市教委は「裁判で争うことになるので、現時点でコメントは差し控える」(学校指導課)としている。
いじめをめぐる県内の民事訴訟では、10年3月に加賀市内の小学校低学年の女児が同級生からいじめられ精神的苦痛を受けたとして、同級生の保護者と市に損害賠償を求めて提訴した。12年11月の金沢地裁小松支部判決は、加賀市と同級生の保護者に約700万円を支払うよう命じたが、女児側が賠償額を不服として控訴し、現在も係争中となっている。