毒深海魚バラムツを授業で試食「下痢の恐れ」説明、任意で
スポニチアネックス 9月22日(月)7時1分配信
名古屋市中区の専門学校で7月、食べると下痢になる恐れのある深海魚「バラムツ」を、講師が授業で学生に試食させていたことが21日、学校などへの取材で分かった。
名古屋市食品衛生課によると、バラムツには人間が消化できない脂質が含まれ、下痢などを起こす恐れがある。食品衛生法では販売や不特定多数の人への提供を禁じている。講師から報告を受けた学校が8月、学生の健康状態を調査。不調を訴える人はいなかったという。
試食させたのは「名古屋コミュニケーションアート専門学校」の30代非常勤講師。水族館の飼育員などを目指す学科の授業で、深海魚の生態を教える際、ゆでたバラムツを任意で試食させた。危険性を事前に伝えたが、受講した約60人のうち50人程度が食べた。講師は「バラムツの身に脂が多いことを教えたかった」と説明している。
バラムツはスズキ目の深海魚で、最大2メートル以上に成長する。体内の油脂成分のほとんどが人体で消化できないワックスエステル(ろう)でできており、大量に食べると、油脂が自覚症状なく肛門から垂れ流しになる。下痢や腹痛のほか、皮膚から油が漏れる皮脂漏症、昏睡(こんすい)状態になることもあるという。
一方で非常に美味で、釣り人の中には紙おむつをしてでも食べたい人がいるという。約10年前にバラムツを食べた船宿「庄三郎丸」(神奈川県平塚市)の後藤久船長(46)は「たばこ2箱分くらいの大きさを、照り焼きで食べた。脂が乗り銀ダラのような味。だが翌日、気がつくとお尻が温かくなり、透明なろうのような液体がパンツを汚していた」という。
学校の担当者は「あってはならないこと。授業でどんな教材を使うか確認し、再発防止に努めたい」と話している。