大津いじめ訴訟和解、遺族「天童のケースにも反映」 学校の責任、明確に

大津いじめ訴訟和解、遺族「天童のケースにも反映」 学校の責任、明確に
山形新聞 2015年3月18日(水)8時20分配信

 いじめを苦に2011年に自殺した大津市立中学2年の男子生徒=当時(13)=の遺族が市に損害賠償を求めた訴訟は17日、大津地裁で和解した。和解勧告には、いじめを受けた児童生徒が自殺することは一般的に予見でき、被害に十分注意しなかったことと自殺の因果関係を認めるといった学校の責任に踏み込んだ内容が盛り込まれた。生徒の父親(49)は、山形新聞の取材に「(女子中学生がいじめに悩んで自殺した)天童市のケースなど全国でいじめ問題に苦しむ子ども、遺族にとって画期的な判断だ」と語った。

 遺族は12年2月、市と加害者とされる元同級生3人側に約7700万円の損害賠償を求めて提訴。市は13年2月に過失責任を認めて和解を申し入れ、地裁が和解勧告していた。

 和解では、市の賠償額は4100万円と算定し、支払い済みの死亡見舞金2800万円を除く1300万円を和解金とした。また計19件のいじめを認定し、学校が自殺を予見できたのに適切な対応をしなかった責任などについて市が謝罪するとした。

 元同級生らとの訴訟は続き、請求額は約3860万円となった。

 和解後、生徒の父親と越直美市長が市役所で共同記者会見を開いた。父親は「いじめに対する学校の責任が明確になった。今後の被害者救済に大きな意義がある。全国でいじめに苦しむ人に、今回の画期的な和解内容を伝えることが私の使命だ」と語った。越市長は「学校にはいじめを止める責任があると和解条項に書かれている。これからは言い訳できない」と述べた。

 さらに父親は山形新聞の取材に「『いじめとは思わなかった』『自殺につながるとは考えなかった』との学校側の言い逃れは通用しない。天童市のケースもこうした観点で事実解明を進めてほしい」とした。

【大津市いじめ訴訟和解勧告の要旨】
 文部科学省は各教育関係機関に対し「いじめの問題への取り組みの徹底について」(2011年10月)などの通知を出し、いじめが自殺を誘来する恐れがあることを前提に対応を促してきた。一般的にいじめを要因として児童生徒の自死が生じることを予見することができる状況にある。

 前記(いじめの認定事項)の事実によれば、担当教諭やそれ以外の職員も当該生徒がいじめを受けていたと認識していたと認められる。仮に、担当教諭、それ以外の職員がいじめの認識を有していなかったとしても、少しでも注意深く観察し、情報を共有していれば、いじめを認識できたというべきで、この点自体に過失があった。

 担当教諭がいじめを認識していれば生徒の挙動を十分把握することができ、生徒が希死念慮(きしねんりょ)を抱き自死にいたることも十分予見できた。予見した上で措置を講じていれば生徒が自死に至らなかった可能性があったといえる。

 よって、被告大津市は生徒の自死につき、安全配慮義務違反があり、損害賠償の責任を負う。

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