小6けが ぬれぎぬ判明 教師、謝罪せず 安中市 /群馬
毎日新聞 2016年1月6日
安中市内の小学校で昨年11月、6年の男児が男性教師(56)から体罰を受けて負傷していたことが5日、市教委への取材でわかった。下級生に暴力をふるったと疑われて無実を訴える男児に、胸元をつかんで「本当のことを言え」と迫った教師は、ぬれぎぬと判明した後も謝罪しなかったという。【増田勝彦】
市教委によると、体罰があったのは昨年11月24日午後0時半ごろ。校内の廊下で男児の胸元をつかんで揺らしたり押したりし、男児は頭が壁か窓枠に当たったほか、床に倒れた。さらに教師は男児の胸元をつかんだ状態で押すようにして移動し、男児は再び床に倒れたという。男児は頭にこぶができ、あごや膝などの打撲、首と左指のねんざで全治10日と診断された。
この日の朝、3年生の保護者から「6年生にヘッドロックされ、教室のロッカーに頭を入れられた」と連絡があり、名指しされた別の児童を問いただしたところ、別の子がやったと主張して名前を挙げたため、男児を詰問したという。教師は校長の事情聴取に対し「男児の態度がはっきりしなかったため強く迫った。気持ちがあせり、感情的になっていた」と説明。男児は「していないと何回も言ったが、信じてもらえなかった。怖くて痛かった」と校長に話した。
教師は名指しされた児童の担任で学年主任。男児は別のクラスだった。教師が教室に戻って尋ねると、複数の児童が名指しされた児童の行為と証言し、この児童も事実を認めた。名指しされた児童には男児に謝らせたが、教師自身は謝罪しなかったという。
安中市教委の桑原幸正教育長は「教師の体罰についての認識が甘かった。当該校だけでなく、市内の全学校に注意喚起し、二度と起きないように努める」と語った。