教員無免許、校長異動で引き継がれず 女性が必要書類未提出
山形新聞 2016年2月24日(水)7時45分配信
県内の県立高校で、教員免許を持たない女性が教師として30年以上にわたって教えていた問題で、2014年度に学校側の求めに応じずに免許のコピーを提出していなかった状況について、翌15年度の人事異動で校長が替わる際に引き継ぎされていなかったことが23日、関係者への取材で分かった。教諭個々の免許更新時期を把握する県教育委員会のシステムが導入されていたが、免許を持っていることを前提とした取り組みのため、不所持に気付かなかった。
県教委は14年度、教員免許更新制度に関し、現場の教員が自身の更新時期を着実に把握できるようにするため、学校単位で教員の免許状のコピーを取りまとめるよう指示した。これに伴い学校側は女性に提出を求め続けたが、「実家にあると思う」などとして応じなかった。
15年度の人事異動で着任した現校長は、この女性の更新手続きの締め切りが1月末に迫っていたため、去年12月ごろから数回にわたってコピーの提出を求めるなど更新するよう促したところ、無免許だったことを打ち明けられた。
関係者によれば、引き継ぎの際は学校の現状や課題などについては引き継ぎの対象となるものの、一教諭の提出物の有無までは引き継ぐことはないといい、今回のケースでは、教員の中に無免許の者がいることは全くの想定外だった。
保護者、生徒に謝罪
同校は22日夜に緊急保護者会を開いたほか、23日朝には全校生徒に一連の経過を説明した。女性から授業を受けた生徒の単位は認められることなどを伝え、謝罪。女性の授業を受けたことがある男子生徒(17)は「普通の先生と変わりなく、教えるべきことを教えてくれる先生だった。無免許と知ったときは衝撃だった」と話した。
県教委は23日の県議会文教公安常任委員会で、女性の無免許問題を説明し、菅野滋県教育長が陳謝した。今回の問題を踏まえて県内公立学校などに勤務する全教員の免許取得を確認しているが、菅野教育長は「他の対応策も検討して報告したい」と述べた。委員からは、現在の生徒に動揺を与えないよう正確な情報を発信することなどを求める意見が相次いだ。