<熊本中2転落死>いじめ行為16件認める市教委調査報告

<熊本中2転落死>いじめ行為16件認める市教委調査報告
毎日新聞 2016年3月17日 20時21分配信

 熊本市で2015年3月、市立中学2年の女子生徒(当時14歳)が自宅マンションから転落死した。この問題を受けて、市教委が設置した市いじめ防止等対策委員会臨時部会(部会長、緒方宏明・尚絅(しょうけい)大短期大学部教授)が17日、調査報告書を公表し、いじめ行為16件を認めた。その上で「死の大きな要因が学級でのいじめにあることは否定できない」と結論づけている。遺族は報告書の受け取りを拒否しているという。

 報告書は、女子生徒が同級生からノートを捨てられたり、体形や顔のことで悪口を言われたりするなどのいじめを受けていたと認定。転落死の約10日前に死をほのめかす文章も書いており、「学級でのいじめが女子生徒を精神的に追い込んだことは明らか」と指摘した。さらに「自ら死を招くほどの危険な行為に及んだとしても不思議ではない」とした。

 また、女子生徒への継続した見守りや心のケアがされず、死亡までの約1週間、家庭への連絡が不十分など学校側の対応の不備も批判した。

 市教委によると、女子生徒は15年1月20日と3月11日に「数人の生徒から嫌なことを言われた」と担任に相談。同12日に校長らが立ち会って女子生徒と保護者が複数の生徒と対面した。女子生徒は翌13日から学校に来なくなり、20日に転落死した。

 市教委は同年3月、学識経験者ら4人で構成する臨時部会を設置し、教職員や同級生ら43人から聞き取り調査した。市教委の岡昭二教育長は「二度とこのような悲しい出来事が起こらないよう全力を尽くしたい」と述べた。【井川加菜美】

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