(朝鮮日報日本語版) 韓国のTOEIC対策塾、バイトを動員してステマ工作

(朝鮮日報日本語版) 韓国のTOEIC対策塾、バイトを動員してステマ工作
朝鮮日報日本語版 2016年3月20日(日)6時3分配信

 就職準備中のイさん(26)は最近ソウルで有名なTOEIC塾で1カ月25万ウォン(約2万4000円)の「TOEIC実戦クラス」という授業を無料で受講した。英語塾が募集した「広報助教」に選ばれたからだ。イさんは「受講料全額免除」という言葉に引かれて助教に志願したものの「今は後悔している」と肩を落とす。知人や友人に英語塾を宣伝するだけかと思っていたが、毎日ネット上のサイトにアクセスして英語塾の宣伝用のレスや広告文を掲載しなければならなかったのだ。

 英語塾で広報助教というアルバイトがはやっている。広報助教は受講料を支払わない代わりにネット上の掲示板などを回って英語塾の講義を宣伝しなければならない。

 ある英語塾の広報助教(25)は「有名なサイトに『講義が上手』といった具合の書き込みを毎日10個ずつ掲載しなければならない」と話す。ネット上の掲示板に掲載された「一刻も早く高得点を獲得したい」という要望には「A塾は他に比べて講義内容が充実している」「A塾の語彙(ごい)講義におけるTOEICでの的中率は高い」など全て英語塾を勧めるレスで対応する。そのほとんどが広報助教によるものだ。場合によっては質問までも広報助教たちが作成して掲載し、自分たちでレスを付けるケースも少なくないという。

 ある英語塾で広報助教たちに配布された「広報指針」と題する資料によると、同塾の助教たちはインターネットに宣伝文句を掲載する際に「情熱あふれる講義に感動した」「英語の基礎を整理してくれる講義」などの文句を必ず入れるようにした。同指針書には「レスアルバイトではないかと疑われるのを避けるために、うちの英語塾と関係ない質問にも時々回答する」といった内容も盛り込まれている。

 広報活動にはノルマがあるため、助教たちは勉強よりも広報活動に時間の大半を費やすケースも少なくないという。広報助教を務めるある大学生は「ノルマをこなそうと夜中の2時までレスを付け、翌日の講義を欠席したことがある」という。また、助教たちが掲載したレスにだまされたという受講生の話もある。就職準備中のイムさん(26)は「『講師が情熱的で効果てきめん』というレスを見て受講したが、一人の講師が多くの授業を担当しているため質問しにくかった」と話す。あるポータルサイトの関係者は「英語塾の情報などが繰り返し掲載されないよう監視体制を強化する」と明らかにした。

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