<広域通信制高>16校が不正編入か 無認可校から計77人

<広域通信制高>16校が不正編入か 無認可校から計77人
毎日新聞 2016年9月2日(金)21時31分配信

 全国に105校ある広域通信制高校のうち16校が2013〜15年度、学校教育法上の無認可校などから生徒を計77人編入学させていたことが、文部科学省の調査で分かった。無認可校から高校に入る場合は1年生として入学する必要があり、学年途中の編入は認められていない。

 77人の中には中退した高校で単位を取得して編入に問題ない生徒も含まれている可能性もあるが、文科省は大半が不正編入とみており、高校を所管する都道府県に是正指導などの対応を求める方針。

 調査は、ウィッツ青山学園高校(三重県伊賀市)の就学支援金不正受給事件や、クラーク記念国際高校(北海道深川市)の不正編入学問題を受けて今年7〜8月に実施。私立85校、国の特区制度を利用した株式会社立19校、公立1校の計105校を対象に、運営実態をただした。

 クラークは11〜15年度、提携していた無認可のサポート校「四谷インターナショナルスクール」(東京都新宿区)の生徒計63人を編入させたことが判明しており、北海道が7月に是正指導している。

 16校の内訳は、クラークなど私立が9校、株式会社立が7校。無認可のインターナショナルスクールや外国人学校のほか、各種学校などから生徒を途中編入させていた。文科省はクラーク以外は詳細な事実確認をしていないことなどを理由に校名を明らかにしていない。

 文科省の有識者会議(座長=荒瀬克己・大谷大教授)は、広域通信制高校の質の確保に向けたガイドラインを策定中。素案には編入学について高校に「法令上認められるかどうかを確認し、適切に処理する」よう求めることが盛り込まれた。【伊澤拓也】

 ◇ことば「広域通信制高校」

 自宅学習を基本とする通信制高校のうち、3都道府県以上から生徒を集めている学校。全国105校に約10万人が在籍している。サポート校は通信制高校と提携し、生徒の学習や生活を支援する教育施設で、全国に1234カ所ある。サポート校は法令による規定が存在せず、実態把握が困難との指摘がある。

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