教諭ら6人を懲戒処分 県教委、わいせつや盗撮などで(愛知)

教諭ら6人を懲戒処分 県教委、わいせつや盗撮などで
中日新聞 2016年12月23日

 県教委は二十二日、女児への強制わいせつやトイレでの盗撮などの不祥事を起こした教諭や非常勤講師六人を、懲戒処分(停職、免職)とした。教諭の不祥事が相次ぐ県教委だが、一挙に六人の懲戒処分は異例。

 本年度の懲戒処分は十七人となった。一挙六人の処分は「記録を見ても例がない。調査終了の時期がたまたま重なった」(県教委)としている。

 六人のうち岩津高の男性教諭(43)以外は、辞意を表明しているという。

 県教委は本年度、不祥事の具体例をまとめたリーフレットを全教員に配布したほか、校長と教頭による面談など、不祥事防止に力を入れ始めたばかり。

 六人には校長や教頭も含まれ、県教委の担当者は「今後、管理職に対する新たな取り組みを考えたい」と話している。

 県教委がこの日発表した二〇一五年度の懲戒処分状況では、合計二十四人のうち、わいせつ事案が九人を占めた。

 本年度も十七人のうち、わいせつ事案は十一人に上る。

 (今村太郎)

◆懲戒処分を受けた6人の行為

■豊田市立東保見小の水野義健教諭 2014年10月22日夕、家庭科準備室で、小4女児を着衣がない状態で机の上に寝かせ、デジカメで撮影。別件で逮捕され、自宅パソコンから画像が見つかり発覚。今月20日、強制わいせつ罪で懲役1年8月、執行猶予3年の判決。「性的欲求からやった」。過去にも2、3度、女児のわいせつ画像を撮影したと明らかにした

■東海市立三ツ池小の男性教頭 9月19日昼ごろ、常滑市立図書館の男子トイレで、個室を隔てる壁の上から隣の男性を携帯電話のカメラで撮影。男性から問いただされ、県迷惑防止条例違反容疑で逮捕された。11月14日、罰金30万円の略式命令を受け、納付した。「他人の様子を見てみたかった」

■県立岩津高の男性教諭 10月7日、6限目の授業開始前、教室で、個人情報の記されている教務手帳を見ようと生徒が群がっていたことに激高。生徒の水筒を机にたたきつけ、2人の生徒に退室を命じた。退室する2人に水筒を投げつけ、文房具や手提げ袋をごみ箱に投げ入れた。生徒らが養護教諭に訴え、発覚。「感情的になって、不適切な言動に出てしまった」

■半田農高の女性非常勤講師 10月25日午後、行きつけのスーパーでいったん精算を済ませたが、買い忘れたキャベツ半玉(162円)を取りに戻り、そのままレジ袋に入れて外へ。警備員に問いただされ、発覚。窃盗容疑で聴取され、「微罪」として処理された。「身内と一緒に来ていて、焦って精算を忘れた」

■豊田市立梅坪台中の男性校長 09、10年ごろ、男性教諭を週に3〜4回、校長室に呼んで、大声を出したり、机をたたいたりして叱責(しっせき)。深夜、2時間にわたって学校の駐車場に立たせて「指導」も。14年12月には、学校の親睦会に遅刻した別の教諭をたたき、蹴った。先の男性教諭には15年にも、職員会議で高圧的に迫るなどパワハラ。「男性教諭の能力を評価し、力を付けてやりたいと思った」

■県立豊明高の女性非常勤講師 7〜9月ごろ、元交際相手の男性に無料通信アプリ「LINE(ライン)」で、一緒に写った写真を100件送る。男性を責める内容のメッセージを1文字ずつ送る形で、計1000回の送信も。ストーカー行為の警告を受けたが、9月7日、再び男性に送り、ストーカー規制法違反容疑で逮捕。27日、不起訴処分(起訴猶予)。「何とか連絡を取り続けたい一心で、一方的にやった」

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする