“わいせつ教師” 処分厳格化のワケ 札幌市教委は原則免職に 「賛成」「やりすぎ」

“わいせつ教師” 処分厳格化のワケ 札幌市教委は原則免職に 「賛成」「やりすぎ」
北海道ニュースUHB 2019/4/27(土) 8:00配信

 北海道内で教師によるわいせつ事案があとを絶ちません。そこで、札幌市は”わいせつ教師”への処分を、5月から厳格化します。一体どういうことなのか、そのワケを探ります。

【相次ぐ”わいせつ教師”】

 ・札幌市(2018年):が性的な好奇心を満たす目的で、児童ポルノにかかわるDVDを所持していた。

 ・札幌市(2018年):中学校の20代男性教師が白石区に駐車場で18歳未満と知りながら、少女とわいせつ行為に及んだ。

 ・江別市(2019年3月):が、札幌市内の公共施設で、スマートフォンでスカート内を盗撮していた。

 最近はスマートフォンの普及、インターネットの普及で生徒との距離が近くなり、連絡を取れる手段があるので、こういった事案が増えています。

【札幌市教委 処分厳格化】

 そんな中、一体どういうことなのでしょうか?

 札幌市教委の今までの指針は、わいせつ行為、強制わいせつ、淫行は『原則免職』、痴漢行為、盗撮、のぞきは『免職または停職』、ストーカー行為の場合は『免職・停職または減給』と、程度によって処分が違っていました。この基準が甘いのではないかという指摘も過去にありました。

 そこで、5月1日からは、わいせつ行為、強制わいせつ、淫行、痴漢行為など19項目(図を参照)に関して関係する法令に処罰された場合、『原則免職』という厳しい処分にするという方針を出しました。

 これは、政令指定都市では最も厳しい水準で、改正の目的は未然防止と抑止力をねらうためということなんです。

 しかし、札幌市以外の公立小中学校や、道立高校を所管する北海道教育委員会は、わいせつ行為等は『免職または停職』という処分です。

 札幌市教委と道教委で、基準が異なることになるわけですが、街の声を聞いてきました。

 男性:「(処分の厳格化に)賛成ですよ。そこまでしなかったらダメですよ」
 女性:「保護者も信頼のもとにやっているわけじゃないですか。だから札幌市くらいがいい。もし孫に置きかえたら、(そうしないと)学校に安心して行かせられない」
 女性:「明らかにダメな人は免職でいいと思うんですが、しっかり見極めてから処分していただけたほうがいい。先生も大変だし、人数足りなくなっちゃうだろうし」
 女性:「厳しくなったことはいいと思うんですけど、どんな事案に関わらずというのは、やりすぎかなという気がします。(Q.札幌市教委と道教委でルールが違うが…? )そこが一本化していないのはおかしいんじゃないかと思います」

【異なる基準 こんなことも】

 2018年1月、釧路管内の40代男性教師が少女の使用済み下着を買い受け、道青少年健全育成条例に違反し罰金の略式命令を受けました。

 2019年3月、道教委は停職1か月の処分を下しました。この事案は、札幌市の新しい指針だと「免職」となるのです。

 同じ事案でも、道教委と札幌市教委で考え方が異なるということなんです。

【”処分かくし”の防止にも】

 処分の厳格化は、いわゆる“処分かくし”の防止にもなるとされています。免職ではなく、停職以下だとこんなケースがありました。

 停職6か月となり、その後男性教師は依願退職しました。

 ところが、埼玉県と愛知県の両県の教育委員会で情報共有がされていなかったということなんです。

 これが懲戒免職となると、「教員免許が失効」「官報で氏名公告」「都道府県で情報共有」されるので抑止にもつながることになります。

 様々な意見がある中で、札幌市は、全国でも最も厳しい懲戒指針の厳格化となります。その運用が注目されます。

 (4月25日放送 UHB『みんテレ』内「ほぼ日刊 八木タイムス」より)

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする