“無期雇用”直前での雇い止め、非常勤講師「不当」と訴え

“無期雇用”直前での雇い止め、非常勤講師「不当」と訴え
TBS News i 2019/5/23(木) 18:14配信

 東京の私立学校で、非常勤の講師として働いていた男性が、あと1日働いていれば期限なく働くことができたのに直前で雇い止めされたのは不当だとして、裁判を起こしました。

 「教えるのが好きだったり子どもが好きだったりで、やっていると思うんです。このままでは教育の状態っていうのは崩壊していくと思うので」(雇い止めされた男性講師)

 悲痛な思いを語る男性。男性は今年3月まで、東京・墨田区にある私立安田学園で中学校と高校の非常勤講師をしていました。しかし突如、学校側から「契約を更新しない」と告げられたというのです。

 「私は契約書がないところから5年で(更新しないことが)適用されると思っていなかった」(雇い止めされた男性講師)

 厚生労働省は、去年から非正規の労働者の安定した雇用を目的として、有期契約が5年を超えた場合は、労働者が望めば期限を定めない“無期雇用”に転換できるルールを定めました。

 男性は2014年4月から安田学園で非常勤講師として働き、雇い止めにあったのは4年11か月目のこと。“無期雇用”が希望できるようになる直前での雇い止めでした。学園側は、雇用を継続しなかったことについて、「総合的に検討した結果」と説明したといいます。

 男性はあと1日働いていれば、労働契約法により期限なく働くことができるようになったため、「不当解雇」だとして、学園側を相手取り、職場に復帰することなどを求める裁判をおこしました。安田学園は取材に対し、「最長5年の有期契約は双方の合意のうえだった」としています。

 教育を支えるうえで大切な役割を担っている非常勤講師ですが、不安定な雇用環境に直面している現実。文部科学省はJNNの取材に対し、「全国で非常勤の講師がどれくらいいるのか把握していない」としていて、男性のように不安定な雇用環境に置かれた非常勤講師の待遇改善が求められています。(23日15:29)

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