”体罰はあった”と認定、さらに学校が否定した”隠ぺい”も認定 尼崎高校バレー部体罰問題
関西テレビ 2019/5/21(火) 19:37配信
去年のインターハイ優勝校、兵庫県の市立尼崎高校・男子バレーボール部で発覚した体罰問題。尼崎市が21日、調査結果を公表しました。
【稲村和美 尼崎市長】
「被害を受けられた生徒、保護者の皆様、在校生、保護者、その他、関係者の多くの皆様に多大なご迷惑とご心配をおかけていることを、まずは深くお詫びします。本当に申し訳ありません」
市長の謝罪で始まった会見。コーチによる部員への体罰については…
【尼崎市教育委員会 松本眞 教育長】
「身体に対する強い侵害を内容とする体罰を行ったものと判断をします」
『体罰はあった』と認定。さらに…
【尼崎市教育委員会 松本眞 教育長】
「監督による隠ぺい、体育科教頭による限りなく隠ぺいに近い行為、そして校長としての不適切な対応について認定をしました」
教育委員会の調査では、学校側が否定していた体罰の隠ぺいも認定しました。
体罰が常態化していたのか?会見では、様々な驚くべき事実も明らかになりました。
なぜ、意識を失うほどの体罰が行われたのか?
4月29日、臨時講師のコーチ(28)が、3年生の部員に対し10回以上の平手打ちをし、部員は20〜30分間意識を失いました。
さらにこの間、コーチは部員に対し「サイコパス」といった不適切な言葉を投げかけていたという、複数の証言があることが明らかになりました。
その後、部員は脳震とうと顔面打撲と診断され、左耳の鼓膜が破れていました。
【尼崎市教育委員会 松本眞 教育長】
「(過去には)顔にボールを押し付ける、3年生の首をつかんで投げる、など加害コーチによる体罰が、常態化していたものと思われる」
教育委員会はコーチの体罰が常態化していたとみており、さらに監督についても過去に「生徒の髪をつかむ」といった行為が体罰であると認定しました。
そして部員が意識を失ったにもかかわらず、コーチも、のちに駆け付けた監督も、救急車を呼ばなかったことについては…
【尼崎市教育委員会 松本眞 教育長】
「A君(被害部員)の安全を守る観点から極めて不適切な行為であり、生徒の教育活動中における教員の安全配慮義務に違反している」
体罰が起きてからの対応にも、数々の疑念があります。
『監督や学校側に隠ぺいの意図はなかったのか?』
監督とコーチは体罰から1週間以上が過ぎた5月7日に匿名の電話があるまで、体罰があったことを学校に報告していませんでした。
この電話を受けて2人は事実関係を記したメモを作成。
コーチのメモには「部員が意識を失い、ケガをした」という記述がある一方で、監督のメモにはその記述はありませんでした。
21日の会見で、教育委員会は…。
【尼崎市教育委員会 松本眞教育長】
「(コーチは)A君が一時意識を失うほど深刻な事態に至っているにもかかわらず、5月7日に学校管理職からの聞き取りがあるまで体罰をしたこと等を報告しなかったことは報告義務違反に当たる。(監督は)当然報告するであろう状況において当該報告を行わなかったと判断され、隠ぺいにあたる」
コーチを「報告義務違反」、監督を「隠ぺい」と判断しました。
また、2つのメモを受け取った教頭が、けがの記述のない報告書を作り、校長が教育委員会に提出していましたが…。
【市立尼崎高校 般若利博 教頭】※20日の取材で
「それはだからその時、抜けたんですね 私」
【市立尼崎高校 桑本廣志 校長】※17日の取材で
「本当に本当に見落としてしまっちゃってるんです。隠そうとかいうそういう意図ではありません。」
21日の会見では…。
【尼崎市教育委員会 松本眞教育長】
「(教頭が)校長に対して体罰があったことのみを記載したメモを自ら作成し報告したことは。きわめて不適切であり、限りなく隠蔽に近いと判断する」
「(校長は)隠蔽に当たるとは言えないが、体罰の実態を適切に把握する責務を有する校長としての職務を適切に遂行しているとは言えず、極めて不適切な対応である」
Q:これまでの体罰が問題になって、なぜそれが改善されない?
【尼崎市教育委員会 松本眞教育長】
「学校という組織でありながら、その中にかなり独立性の強い部分がある。(顧問らは)自分たちのやり方でやりましょうと、自分たちの世界で部活動をまわしてきた、学校のマネジメント、学校の組織構造の問題があるんだと思う」
会見に同席した、尼崎市の稲村市長は…
【尼崎市稲村和美市長】
「今回の調査で膿を出しきっていくという強い決意のもと、体罰は決してゆるされるものではありません、今回、報告書にもあった学校のガバナンスの問題、ひいては教育委員会の体質も改善が必要だと思いますが、そういったところの部分にまで踏み込んだ対応をしていくべく、全市をあげてしっかりと取り組んで参ります」
「尼崎市をあげて取り組む」としましたが、会見で、「体罰」や「隠ぺい」を 招く要因はなんだったのかその背景については踏み込みませんでした。
今後、どういった検証がされるのか課題は残されています。