情報漏えい、盗撮…昨年度から職員7人逮捕 「緩みまくってる」西宮市

情報漏えい、盗撮…昨年度から職員7人逮捕 「緩みまくってる」西宮市
神戸新聞NEXT 2019/5/28(火) 7:30配信

 兵庫県西宮市職員の不祥事が後を絶たない。昨年度は、公共工事の入札情報漏えい事件や、校舎での盗撮事件などで職員や教諭ら6人が逮捕された。本年度も4月、同僚の現金を盗んだ疑いで小学校の調理師が逮捕され、この1年余りの逮捕者は計7人に。さらに、職員に服務規律を指導する立場の前人事部長が部下との不適切な性行為で停職処分となり、組織のたがが外れたような様相で、市民の信頼回復が急務となっている。(初鹿野俊)

 西宮市では昨年、やで女子児童や女子生徒を盗撮したとして、男性教諭2人が逮捕され、ともに懲戒免職になった。11月には市役所の職場で上司の財布から現金を盗んだとして、健康福祉局の男性主事が逮捕され、有罪が確定し失職した。

 今年に入ると、1〜2月に市発注の公共工事の入札情報を業者に漏らしたとして、官製談合防止法違反容疑などで上下水道局と土木局の男性副主査2人が相次いで逮捕、起訴された。また、別の上下水道局の男性職員は酒に酔って他人のマンションの庭に不法侵入したとして逮捕された(不起訴処分)。相次ぐ不祥事に石井登志郎市長は2月の市議会定例会で「全庁を挙げて再発防止に取り組む」と誓った。

 しかし、本年度も不祥事は相次ぐ。4月、同月には、前人事部長の男性参与が昨年夏、女性職員の自宅で不適切な性行為をしたとして、停職3カ月の懲戒処分が発表された。

 阪神間の他市に比べても、西宮市職員の不祥事の多さは際立つ。市は今年の入札情報漏えい事件を受け、再発防止対策を検討中だが、止まらない不祥事の内容をみると、公務員倫理にとどまらず、社会人としての資質も問われるような事態となっている。

 石井市長は今月23日の定例会見で「私もショッキングだった」と困惑を隠さず、市は職員研修の見直しを始めた。ある市議は「役所は異常状態。緩みまくっている」と批判。懲戒処分を受けた職員に対して人事面での厳しい処遇を検討し、「職員にしっかりとメッセージを送るべきだ」と対応を求めている。

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