「250人を超える生徒と保護者」が「体罰を認識」 市立尼崎高校、体罰は常態化していたのか?
関西テレビ 2019/6/10(月) 19:33配信
男子バレーボール部に端を発した市立尼崎高校の体罰問題でまた、驚きの事実が発覚。実に250人を超える生徒と保護者が体罰を認識していました。
【尼崎市 稲村和美 市長】
「抜本的な対策を進めていかない限り根本的な解決には至らない」
10日開かれた総合教育会議で報告されたのは、市立尼崎高校の全校生徒955人とその保護者、そして教員70人に対するアンケート結果です。
「体罰を目撃した」または「聞いたことがあるか?」という問いに対して、生徒の73人が、保護者については、なんと全体の20%を超える185人が「ある」と答えたのです。
【尼崎市 稲村和美 市長】
「全校調査で34人の生徒が体罰を受けたことがあると回答しているというのは重く受け止めなければならない」
【尼崎市教委 松本眞 教育長】
「このことを学校として認識していなかったとすれば子どもの安全を守る学校としては極めて問題があると思っております」
いったいなぜこのような事態が表面化することなく、放置されていたのでしょうか。
ことの発端はことし4月のことでした。
Q:20分から30分意識を失っていて放置したわけですよね?
【市立尼崎高校 桑本廣志 校長】※5月15日取材時
「あってはならないです。すぐに救急搬送しておかなければならない」
バレー部の監督は、学校側にすぐに体罰を伝えず、その後、把握した学校側は、部員のけがの事実を教育委員会に報告しませんでした。
Qなぜ報告しなかった?
【市立尼崎高校 般若利博 教頭】※5月20日取材時
「校長が急いでいて。本当のポカミスなんですけども」
教育委員会に対し部長は、「記憶にない」と話しているということです。
さらに教育委員会は、野球部とバレーボール部以外の4つの部活でも体罰が行われていた疑いがあることを明かしました。
【尼崎市教委 北川貴宏 課長】
「精査が終わっていないので、引き続き分析したい」
学校全体で体罰が常態化していたのか。そして、全校生徒の73人と保護者185人が体罰を認識していたのにこれまで明るみに出なかったのはなぜなのか?尼崎市長は強豪校ならではの問題点について指摘しました。
【尼崎市 稲村和美 市長】
「体罰を容認する空気、勝利至上主義の風土があった可能性もある。部活動の在り方、進路指導の在り方、こういった所に踏み込んだ分析がないと根本的な解決が難しい」
尼崎市は、体罰根絶に向けた有識者会議を6月下旬にも設置し、スピード感を持って、対応策をまとめたいとしています。