高校教職員の7割、上限超す残業 熊本県教委が初調査

高校教職員の7割、上限超す残業 熊本県教委が初調査
熊本日日新聞 2019/6/27(木) 21:07配信

 熊本県教委は27日、県立高校の教職員の7割以上が、文部科学省が示す年間残業時間の上限360時間を超えて働いており、「過労死ライン」とされる残業月80時間以上も2割近くに上ると明らかにした。同日、熊本市で開いた教職員の働き方改革検討委員会の初会合で報告した。

 高校5校(教職員計365人)と特別支援学校1校(同124人)で、フルタイム勤務の全教職員を対象に、昨年4月〜今年3月のタイムカードの記録を初めて調べた。

 調査結果によると、高校では残業月45時間以上の人が49・3%とほぼ半数で、17・8%が月80時間を超えた。年間360時間以上が71・8%だった。

 特別支援学校は月45時間以上が10・3%(80時間以上は0・8%)、年360時間以上が25・0%だった。

 主な残業理由では課外や教材研究・作成、部活動指導、課題を抱えた生徒の支援、保護者との面談や電話、家庭訪問、学級費などの処理−が挙げられた。

 県教委の働き方改革検討委は校長やPTA代表、臨床心理士、学識者など12人で構成。委員長に八幡英幸・熊本大教育学部長を互選した。19年度末をめどに教職員の負担軽減、業務改善などの目標や取り組みをまとめる。

 古閑陽一教育長は「長時間勤務は教員の心身の健康に影響を及ぼし、子どもの教育にも関わる重要課題。教員採用にも影響する。実態をしっかり把握し委員会の意見を聞いて、必要な対策を講じたい」と述べた。(平井智子)

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