解散命令に備える宗教法人、オウム後継団体は資産隠し、旧統一教会はすでに北海道の宗教法人に残余財産「移譲」決議

(作家・ジャーナリスト:青沼 陽一郎) 世界平和統一家庭連合(旧統一教会)に対し、東京地方裁判所が解散を命じた。3月25日のことだった。文部科学省が請求していた。 教団はこの決定を不服として、東京高等裁判所に即時抗告するとしている。過去に解散を命じられたオウム真理教のケースからも、おそらく最高裁判所まで争われることになるはずだ。 しかし、東京高裁でも繰り返し解散命令が出た時点で、命令の効力が発生して、解散の手続きに入ることになる。宗教法人としての法人格を失い、財産を処分しなければならなくなり、清算手続きに入る。オウム真理教の場合は、被害者賠償などで債務超過となって、そのまま破産手続きに入った。 ■ より実態が見えにくくなる「任意団体」化 とは言え、旧統一教会そのものが消えてなくなるわけではない。あくまで宗教法人でなくなるだけで、教団としては任意団体として生き残り、宗教法人としての税制上の優遇がなくなったとしても、これまで通りの活動を続けられる。繰り返すようだが、それもオウム真理教のその後を見ればよくわかる。 このオウム真理教の後継団体をめぐっては、ここへきて被害者賠償を逃れる「資産隠し」が問題になっている。 ちょうど30年前の地下鉄サリン事件から、1年も経たずして解散を命じられたオウム真理教は、その後継団体として教祖の麻原彰晃こと松本智津夫元死刑囚への絶対的帰依を強調する主流派の「Aleph(アレフ)」と、事件当時の教団のスポークスマンだった上祐史浩元幹部が率いる「ひかりの輪」、それに主流派と一定の距離を置き独自の活動を続ける「山田らの集団」に分かれて、いまも活動を続けている。

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