トーチトワリングで中学生大やけど事故 学校のずさんな安全管理の実態とは 名古屋市

トーチトワリングで中学生大やけど事故 学校のずさんな安全管理の実態とは 名古屋市
中京テレビNEWS 2019/8/27(火) 18:57配信

 野外学習で行われる「トーチトワリング」。名古屋市守山区にある中学校の男子生徒が大やけどを負った事故で、この中学校の安全管理のずさんさが浮き彫りになってきました。

 今年7月、名古屋市守山区の守山東中学校で撮影された映像。練習していたのは、野外学習で披露するための「トーチトワリング」です。

 火のついたトーチを回し、生徒みんなで動きを合わせていた、そのとき…。

「(火が)ついた、ついた。あー、先生、危ない」

 男性生徒の着ていた服に、火が燃え移ったのです。男子生徒は、大やけどを負い、事故から1か月以上たったいまも通院しています。

 名古屋市教育委員会によると、トーチトワリングは名古屋市で約40年前から続くもので、昨年度も110校中109校の中学校で実施。名古屋の中学校の野外学習では、おなじみの光景です。

 しかし、今回の事故を受け、教育委員会は今年度、火を使ったトーチトワリングの中止を各学校に通知。

 波紋を広げた今回の事故。27日の市議会の委員会でも、急遽、議題にあがる事態に。委員会では、トーチトワリングでの事故は、小中学校合わせて、ここ3年間で36件発生していたことが判明。

 実は市は、今年3月により安全に行えるよう、マニュアルを改訂していたのです。

 しかし、問題の舞台となった中学校の校長は、衝撃の事実を口にしたのです。

「マニュアル読んでいたのは、1人しかいなかった。気の緩みとしか言いようがない」(守山東中学校 浅井与志夫 校長)

 約半年前、市はマニュアルを改訂するなど対策をとったにも関わらず、守山東中学校では、指導に関わる教員12人のうち、マニュアルを読んでいたのはたったの1人だったことが明らかになったのです。

 浮き彫りになった“安全管理のずさんさ”。やけどを負った男子生徒の父親は、不信感をあらわにします。

「火がついたときに どう消火すればいいのか、(教員が)把握していたら、ここまでの大きなやけどにならなかったのでは(という思いが)ずっと残っています」(生徒の父親)

 学校側のずさんな対応は、生徒の父親と学校とのやりとりのなかにも残っていました。

父親:「火のついた(ときの)対処、子どもにやっていたのか?」
学校関係者A:「そこまでのことが起きる想定はしていませんでした、正直」
学校関係者B:「ふっと見たときに燃えてて、手で消しにいったんですけど、いつもなら押さえると、すすっと消えるのに、あれ?って感じで」

 マニュアルには、生徒にもし火が燃え移った場合、「大至急、水をかける」と書かれていますが…

「手で消しにかかったんですが、消えなかったので、足でとんとんと踏みつけるような形で」(生徒の父親)

 マニュアル通りの対応が出来ず、消火するのに時間がかかったというのです。

 さらに、生徒の父親と学校とのやりとりで、学校からは耳を疑う発言も。

学校関係者B:「ちょっと練習日数が少なくて、そういうとこでバチがあたっちゃったかもしれんね。次からはミスなくいこうねという形で」

 「罰が当たった」などと男子生徒に向け、不適切な発言をしていたこともわかっています。

「今回、私含めて子どもたちを預かる立場でそうした安全確認もなく、本当に申し訳ないことをしたと思っています」(守山東中学校 浅井与志夫 校長)

 「伝統」と「安全」のどちらを重んじるのか、トーチトワリングについて、街の人たちの意見は分かれました。

「(トーチトワリング)やったことあります。いい思い出なので ちょっと寂しいです」(名古屋市民・伝統派)
「キャンプの楽しみのひとつですよね。なくなるのはちょっとどうかな」(春日井市民・伝統)

「ちょっと怖い。娘が小さいときにやけどしているので」(名古屋市民・安全派)
「わざわざ危ない炎を使わなくても、こんだけ技術が進んでるんだったら、その代用として他のものでやってもいい」(京都府民・ 安全派)

 一方で、学校問題に詳しい専門家は「トーチトワリング」自体に根本的な問題があると指摘します。

「伝統とか感動とか一体感といった、トーチの良い効果がリスクを見えなくさせている。体を危険にさらした上で成功すると、感動ってめちゃ大きくなる。でも、そうやって感動している裏側で、何人かの子どもがやけどになっている。やけどを前提に成り立っている活動ってまずいですよね」(名古屋大学 内田良 准教授)

 男子生徒の父親は、“安全管理の確実な徹底”が必要だと訴えます。

「安全面が確保されない以上は やるべきではないと思っています。今後 私たちと同じような思い 被害には 遭ってほしくないと考えています」(生徒の父親)

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