仁憲高校生徒「ソウル市教育庁の調査はいかさま」
朝鮮日報日本語版 2019/11/22(金) 11:40配信
「予想はしていましたが、実際に何の懲戒もないという結果を聞き、惨憺(さんたん)とした思いで力が抜けました」
仁憲高校(ソウル市冠岳区奉天洞)の「政治偏向教育」を外部に伝えた同校3年生のキム・ファラン君(18)は21日、ソウル市教育庁が「仁憲高校の問題は法的・行政的な懲戒の対象ではない」との判断を下した直後に上記のように述べた。キム君は「勇気を出して世の中に伝えたが、大人たちは今日も私たちに『イルベ』『極右』などとレッテルを貼った」とも主張した。キム君は先月から偏向教育に反対する生徒たちのグループ「学生(生徒)守護連合」の代表を務めている。
キム君はソウル市教育庁の調査結果について「教育庁と政治教師たちによるいかさまゴーストップ(花札遊戯の一つ)だ」とも批判した。同校の教師らが生徒たちに「チョ・グクに関するニュースはフェイク」と主張したことについて教育庁は「生徒が提出した映像から、事実とは異なる部分を確認する際に出た発言」と指摘した。「お前はイルベか」という教師の発言についても教育庁は「生徒が『うそをついているのはチョ・グクです』と言ったときに偶発的に出た」と説明した。これらの調査結果についてキム君は「教育の担当者が生徒たちに責任を押し付けるなどあり得ない。惨憺とした思いだ」と述べた。
キム君は校内の雰囲気について「今後もこの学校に通わねばならない1年生と2年生は今回の結果に特に動揺している」と伝えた。キム君は「政治偏向の問題を取り上げると、教師たちからの冷たい視線を感じる。学校生活記録簿などでの不利益を恐れる生徒たちは、自分の考えを口にもできない」とも説明した。守護連合によると、最近は一部生徒たちが教監(教頭)などに校内での公開聴聞会の開催を要求したが、受け入れられなかったという。これについて学校側は本紙からの取材要請にも応じなかった。3年生の別の生徒は「(ソウル市の)チョ・ヒヨン教育監(教育長)も政治思想注入の共犯だと思う」と述べた。
守護連合の生徒たちは23日、ソウル市教育庁前で今回の調査結果に抗議する会見を行うことにした。