いじめが過去最多6521件
山形新聞 2019/11/26(火) 7:37配信
県内の公立小中高校、特別支援学校のいじめについて、県教育委員会は25日、2019年度第1期調査(4〜7月)結果を公表した。認知件数は前年同期比1224件増の6521件で現在の調査方式となった14年度以降では過去最多となり、増加傾向が続いている。同日開かれた県いじめ問題審議会(会長・奥山優佳東北文教大短期大学部教授)で示した。
学校種別では▽小学校5039件(前年同期比1127件増)▽中学校1226件(同111件増)▽高校211件(同5件減)▽特別支援学校45件(同9件減)。認知のきっかけはアンケートなど学校の取り組みによる発見が67.9%を占めた。内容は冷やかしやからかいなど嫌なことを言われるが64.4%となり、遊ぶふりをしてたたかれたり、蹴られたりするが23.8%で続いた。
このほか、高校生を対象に会員制交流サイト(SNS)を活用した相談事業の結果を公表。昨年度の試行を受け、本年度は7〜9月に通信制を除く県内全公立高校51校の全校生徒約2万100人を対象に行ったところ、166件の報告があり、うちいじめ(疑いを含む)問題は18件だった。
審議会で県教委は居場所づくりや、相談しやすい環境づくり、教職員間の情報共有と組織的対応の徹底などの対策を説明した。委員からは「子どもたちが互いに違いを理解し、尊重できる教育が重要だ」との指摘のほか、「子どもたち同士の議論の場を設け、問題解決の方法を学ばせる手もあるのではないか」などの提案もあった。