複数児童からいじめ、学校側などに「認識の甘さ」 大阪・八尾小6不登校で再調査委員会
産経新聞 2020/1/21(火) 12:27配信
大阪府八尾市の小学6年の女子児童(12)が同級生からのいじめで不登校になった問題で、いじめの内容や学校の対応を調べていた市の再調査委員会が21日、調査結果を公表し、複数の児童から主として言葉によるいじめを受けていたなどと認定した。また学校や八尾市教育委員会によるいじめへの初期対応が遅れ、事態が深刻化したとも指摘した。
この問題では、昨年6月に第三者委員会が報告書をまとめたが、いじめと認定されたのは同級生の男児1人からの悪口や暴行だった。女児の両親が「事実関係を明らかにしてほしい」などと主張し、市に再調査を要請していた。
女児は小学4年だった平成30年2月14日、市内の公園で男児から左手小指を骨折する暴力を受けた。再調査委は、この暴力事案が起きる以前から、女児が複数の児童から悪口を言われていたなどと認定。また当時の校長や担任教諭が女児の気持ちに寄り添わず、男児の指導もできていなかったとした。
八尾市役所で会見した再調査委の松浦善満委員長(大阪千代田短期大学学長)は「不登校といじめに関連性があるなど、学校側などにいじめに対する認識の甘さがあった。いじめとけんかの間で考えていたのではないか」と指摘。笠原麻央副委員長(弁護士)は「いろんな問題が見過ごされ、被害児童から大人が十分に話を聞く対応がとれなかった。被害者の視点が欠如していた」と述べた。