少年、塾講師から性被害 強制わいせつで起訴されず

少年、塾講師から性被害 強制わいせつで起訴されず
琉球新報 2021/8/30(月) 13:22配信

 2019年に沖縄本島中部の学習塾で講師を務めていた30代の男性から、性的被害を受けた中学生の少年と母親が29日までに、琉球新報の取材に応じた。少年は4カ月にわたって授業中に講師から体を触られるなどの被害を受け、手をズボンの中に入れるなど行為がエスカレートしたため、意を決して母親に告白した。

 講師は強制わいせつ容疑で県警に逮捕されたが、検察はより罰則の軽い県青少年保護育成条例違反の罪で略式起訴した。裁判所は罰金50万円の略式命令を出して事件は終了した。少年が明確に抵抗しなかったため、地検は強制わいせつ罪で起訴しなかったとみられる。

 母親は「息子は事件後、いろいろな面で後ろ向きになった。目を輝かせて学校に通っていたあのころの息子にはもう戻れない。こんな法律では子どもは守れない」と憤りを感じている。

 識者は、日本の刑法では、被害者が13歳以上の場合は、強制わいせつの立証に暴行と脅迫を求めていることが壁になっていると指摘。教師と教え子のわいせつ行為に対応できる条文がないことも問題だとしている。

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