やる気みられない…バレー監督、女児2人の頭をたたく
読売新聞オンライン 2020/6/6(土) 10:45配信
大分県日出町の小学生女子バレーボールチームの監督だった男性(50歳代)が練習中に女児をたたいた問題で、杵築日出署は、元監督を暴行容疑で大分地検に書類送検した。2日付。
県小学生バレーボール連盟(県小連)によると、元監督は昨年6月、「声が小さい」などとして女児3人にグラウンドを走るように指示。うち2人にやる気がみられなかったとして頭をたたいたという。女児にけがはなかった。
元監督は日出町立小の教頭で、町教委は3月、元監督の行為を「公務員の信用失墜行為にあたる」として文書訓告とした。県小連は5月、県内での指導を禁止する永久追放処分とした。
関係者によると、誓約書への署名が求められたのは、連盟に被害が訴えられた後の7月16日。保護者会は町内の公民館で開かれ、チームに所属する女児の保護者や、OGの保護者ら約40人が集まった。
保護者会では、連盟に報告したのが誰か追及された後、男性保護者が▽指導者の批判はしない▽チーム内で起きたことを公言しない▽指導者、保護者らの行為について関係協会や団体に訴えない――などを約束する誓約書を配り、集まった保護者全員に署名を迫ったという。
関係者によると、誓約書の存在は監督には伝えずに、一部の保護者が独自に作成。誓約が守られていないと、保護者会の半数以上が判断した場合は、子供を退部させることを受け入れ、異議を述べないなどとしたという。
また保護者会では、情報を漏らしたと疑われた親が正座させられ、リーダー格の保護者に詰問されたという。保護者会は午後6時半に始まり、4時間に及んだ。ある保護者は「チーム内での監督の権力は強く、その力を背景にして、子供のことを第一に考えない親たちの姿勢に憤りを覚えた」と話す。
誓約書を作った保護者は、毎日新聞の取材に「体罰についてチーム内で話し合っていないのに外に言うなんておかしいと思った。体罰と指導の違いは考えたことがない」と話した。