大阪高裁「元教授の不正に巻き込まれた犠牲者」 贈賄問われた2人に逆転無罪

大阪高裁「元教授の不正に巻き込まれた犠牲者」 贈賄問われた2人に逆転無罪
関西テレビ 2020/6/18(木) 1:26配信

大阪大学の元教授に賄賂を渡した罪に問われた被告2人の控訴審で、大阪高等裁判所は一審の有罪判決を破棄し、2人に逆転無罪を言い渡しました。

JFEテクノワイヤの元常務・藤本隆史被告(65)と元部長・坂下幹雄被告(64)は、2015年から16年にかけて収賄で有罪が確定した大阪大学大学院の元教授に対し、技術指導料として支払ったおよそ190万円は賄賂だとされ、贈賄の罪に問われています。

一審の大阪地裁では、「元教授との共同研究で便宜を受けたことへの謝礼の目的があった」などとして執行猶予付きの有罪判決が言い渡されました。

17日の控訴審判決で大阪高裁(村山浩昭裁判長)は、「企業が大学教授個人に製品開発に対する指導を依頼するのは産学連携の通常のやり方で、技術指導料の支払いで賄賂の問題が生じるとは考え難い」と指摘。

「一審は賄賂ではないものを賄賂と認めた事実の誤認があり、2人は元教授の不正に巻き込まれた犠牲者だ」として1審判決を破棄し、無罪を言い渡しました。

【二審で無罪判決を受けた藤本隆史被告(65)】
「私たちは罪を犯したとはおもっていませんのでやっと正しく評価してもらえたなと。長かったなと。3年半ぐらいですかね…」

【弁護人】
「(捜査機関は)公務員には給料以外の金銭が発生しないという古典的で形式的な発想が大前提になっていて、そこの誤りを今回の控訴審判決が見事に見破った」

判決を受け、大阪高等検察庁は、「判決内容を精査したうえで、適切に対応する」とコメントしています。

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