「懲戒解雇は不当」京大iPS細胞研究所元職員が提訴へ
産経新聞 2020/7/2(木) 20:49配信
京都大iPS細胞研究所で、教授のメールを無断で閲覧したなどとして今年3月に懲戒解雇された元職員の50代女性が、処分は不当だとして京大に地位確認と約500万円の損害賠償などを求める訴訟を3日にも京都地裁に起こすことが2日、女性の代理人弁護士への取材で分かった。
女性の代理人によると、女性は平成19年から京大で勤務。29年2月以降、教授から「来年度は雇用できない」「なんでやめないのか」などと執拗(しつよう)に退職を求めるハラスメントを受けたとしている。代理人は「京大側は都合のいいように理由をつけて解雇した。説明を求めたが、納得できる回答は得られなかった」と話している。
京大によると、女性は29年度〜令和元年度にかけて、教授のパソコンを使って機密情報が書かれたメールを閲覧したほか、教授室にカメラを設置して盗撮したなどとして、今年3月31日付でされた。
京都大は31日、iPS細胞研究所の教授の個人宛てメールを無断閲覧し教授室を盗撮したとして、同研究所非常勤職員の50代女性を懲戒解雇したと発表した。
京大によると、女性は2017〜19年度、機密情報の記載された教授宛てのメールを閲覧し、教授の机から機密書類を持ち出してデータを取得。また教授室をビデオカメラで盗撮し、その内容をほかの教職員も閲覧可能な状態にするなどしたという。
京大の説明では、女性職員はメールの閲覧や機密書類の持ち出しは認めていない。機密情報の外部への流出は確認できていないという。