9人が「指示」と認識 校長の威圧的態度に忖度か 特別支援学校の時間外労働 過少記録問題
上毛新聞 2020/9/9(水) 6:02配信
群馬県の県立しろがね特別支援学校(前橋市)で教員の時間外労働が過少に記録された問題で、群馬県教委は8日、本年度の時間外労働の多い教員11人に管理職が個別に「見直し」を求め、うち9人が改変の指示と受け止めて記録を書き換えたとする調査結果を公表した。校長が日ごろから威圧的に振る舞っていたことで、周囲の管理職や教員が忖度(そんたく)して改変に至った可能性を挙げ、「学校運営全体の問題」との見方を示した。
◎強い言葉で叱責 了承なく改変された教員も
調査によると、9人中5人が勤務時間から「除外する時間」の欄を書き加えた。重複も含め7人が自動入力される出退勤時刻を書き換えた。いずれも時間外労働が実態より過少になった。管理職の指示に基づく記録上の端数の切り捨てがあったことも判明した。
改変によって記録上、4〜7月に計155時間分の時間外労働を消した人や、1カ月間に約80時間分を消した人がいた。教員は「指導を受けたくない」「管理職に迷惑をかけたくない」と感じて実行したという。
校長の普段の言動に関して (1)生徒個々の指導計画や各種通知文を丁寧な説明なく何度も作り直させる (2)「そんなことも分からないのか」などと強い言葉で叱責(しっせき)する―ことがあり、教員がハラスメントと認識していたと明かした。県立学校教員の時間外労働の上限の目安を月45時間としたガイドラインの運用が4月に始まったことも、改変のきっかけの一つとした。
一方、出退勤時刻の一部が本人の了承なく過少に改変された疑いについて、県教委は、校長と教頭がパソコン上のトラブルを調べる目的で教員3人の記録を書き換えたと説明。「意図的ではないが、了解を取らず、元に戻さなかったのは明らかに不適切」とした。
調査は上毛新聞の報道を受けて8月31日〜今月5日に実施。管理職を含む全教員64人に、県教委職員が延べ97回の聞き取りをした。県教委は今後、校長らへの処分の有無を検討する。
笠原寛教育長は、7日に同校で全教職員を集めて調査結果と働き方改革の意義を説明した。再発防止へ、2日には県立学校長に過去の記録が適正か確かめ、今後も適切に付けるよう指示。市町村教委にも今後通知する。パソコンを使った記録方法は改善を図る。
笠原教育長は会見で「正確な実態把握は働き方改革の土台。改変はあってはならない。教育の充実と働き方改革の両立は学校現場の難題でもある。校長を中心に風通しの良い組織づくりを進める必要がある」と述べた。
校長は8日、上毛新聞の取材に「物を言いにくい雰囲気をつくった。責任は私にある」と述べた。自身が記録改変を促したり指示したかの質問には回答しなかった。その上で、「これからも先生方と一緒に全力で子どもたちの教育に当たりたい」とした。
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「絶対辞めないぞ。お前ら覚悟しとけよ」という意味です。